高尾 和成
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「よっ」
『まーた来たー』
家が隣で幼なじみの高尾は、よく私の家に遊びに来る。来ては、ゲームやら漫画やらを漁りながら、まるで自分の部屋のように過ごしてる。
『年頃の女の子の部屋に堂々と入らないでよねー』
「はっ、何を今さらー」
ケラケラと笑う高尾は、漫画を持って、ベッドの横に腰を下ろした。
例え、私が高尾を男として…好きでも、高尾にとって私はただの幼なじみで。
何度も感じてきた、もどかしさにはもう慣れてしまった。
私も同じように漫画を手に取り、高尾の横ではなく、ベッドに寝転んだ。
「年頃の男の子の前で、安易に寝転んじゃいけませーん」
『はっ、何を今さら』
「俺のパクリじゃん」
『高尾もパクったでしょ』
数秒の沈黙のあと、2人で笑いあった。チラリと高尾に目線を向けたけど、高尾はずっと漫画の方を向いていた。
「でもさ、まじで気をつけろよ」
少し変わった声色に気付かない振りをして、軽く返事を返した。
『大丈夫、私にそんな人居ないから』
「ここにいるじゃん?」
『ははっ、高尾にとって私は恋愛対象じゃないでしょ?大丈夫大丈夫』
私は軽く笑いながらそう言った。それとは裏腹に心の内は少し悲しくなった。
「そうだよ。誰がお前なんかに手出すかよ~」なんて笑い飛ばしてくれたら良いのに、高尾は少しの間黙ったままだった。
『高尾…?』
「……だよ」
『え?』
高尾は急に立ち上がって、私の読んでいた漫画を取り、どこかに放り投げた。
ぐしゃぐしゃにならないかな、と漫画の行く末を案じていたら、視界にふっと影が掛かった。何かと上を向けば、そこには高尾の整った顔とその後ろに天井。
漫画を読んでいた手は、がっちりと高尾に掴まれていた。どうやら覆い被さられている模様。
『た、た、高尾!?』
予期せぬ事態に、私の心臓はドキドキとうるさい。
恥ずかしいから高尾から目を離したいのに、離せられない。いつになく真剣な顔つきの高尾に吸い込まれるよう。
「…誰がナマエは恋愛対象じゃないなんて言った?」
『え?』
「昔から…ナマエのこと好きだってのに」
聞き間違いではないだろうか。
高尾が私のことを…?
「どこかこのラインを超えちゃいけないと思ってた。でも、もう我慢なんねぇ。
……好きだ」
『……わ、たしも…』
必死に言葉を振り絞った。その答えに高尾は優しく笑って、私に触れるようなキスをした。
さっきより一層高鳴る胸の鼓動は、自分からのはずなのに、なんだか遠くから聞こえているみたい。これが幸せで満たされている感覚なのだろうか。
それが定かでなくても、私の心は幸せでいっぱいです。
ボーダーライン
(超えたその先は)
「やっば、ちょー嬉しい…」
『…うん』
「このまま襲ってもいい?」
『なっ!?バカ!』
「えー。俺、だいぶ我慢してきたんだけど?」
『知らないわよ!』