遠回り恋愛。 / 高尾
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…と、まぁ、おかげさまで』
私の話を聞き終えた緑間は、少しげんなりしていたように見えた。ちょっと喋り過ぎたかもしれない。
高尾と付き合う事になったこと、どういうことがあったかという、いわゆる惚気話と言うやつだ。
それを緑間に話していた。
「長いのだよ…話が」
『へへー。ごめんごめん』
「まぁこれでやっと、俺の周りが静かになるのだよ」
『なんで?』
「付き合っているのだから、お互い一緒に居ればいいだろう」
『え、そこに緑間も一緒だよ?』
にかーっと笑えば、対照的にハァと呆れ顔でため息をつかれた。
『諦めろー』
「くっ……」
悔しそうに握りしめる手には、ラッキーアイテムのぬいぐるみ。 あぁ、可哀想な形に変形していく。ふっと力を抜いたのか、元の形に戻った。
「まぁ……、良かったな」
眼鏡を直す振りをしながら、そう言った緑間。
驚いた私は少しの間、開いた口が塞がらなかった。でも、じわじわと嬉しさがこみ上げてきて、思わず緑間に飛び付いてしまった。
「な、何をするのだよ!離せ!」
『ありがとー!みどりまー!』
端から「アイツらどうしたんだ」「浮気か」とか、言う声がちらほら聞こえるが気にしない。浮気じゃねーよバカ。
緑間には心の面で本当にお世話になっていて、感謝しきれないのだよ。
突然、ベリッと剥がされるように緑間から離された。
「なーにしてんの」
私を緑間から離した人物は高尾で、にこやかだけど少し怒っているようにも見えた。
「俺のナマエに手出さないでよ、真ちゃん」
「誰が出すか。そもそもナマエの方から…」
『はは』
「知ってる。後できつーくあまーい、お仕置きしとくわ」
『ははー…』
とまぁ、あれから仲良く円満に付き合ってる訳で。
あれだけ遠回りをしたのだから、ちょっとやそっとじゃ別れないだろう。もし、これから遠回りをする時があっても、その度に私達の距離は縮まるだろう。
だって今は、誰よりもお互いを想い合ってるから。
遠回り恋愛。
10/10ページ