遠回り恋愛。 / 高尾
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「俺は…あの子が好きだって、ナマエを振った」
そう高尾はゆっくり、ゆっくり話し始めた。
「あの子のことが好きだって疑わなかった。でも違った。あの子と関わる機会があったけど、不思議な程に何も思わなかった。
ただ、ナマエと緑間の近付く距離に嫉妬してた」
スカートを握る手に少し力が入る。と同時に私を抱き締める高尾の腕にも力が入った。
「俺は…近すぎて分かってなかった、1番大切な存在を忘れてたんだ。
好きだ、ナマエ」
ドクンと脈打つ心臓。
『う、そ』
「今度は嘘じゃねーよ」
ホラと寄せられた高尾の胸からは、ドクンドクンと早い心臓の音が聞こえてきた。
それに負けじとするかのように、私の心臓の音も早かった。
『バ、カじゃないの…』
涙がポロポロと出てきて止まらない。私が自分で拭うより先に、高尾に上を向かされて「バカでした」って言いながら、私の涙を拭ってくれた。
『せっかく、凛ちゃんと両想いになれる、のに』
「両想いになるならナマエが良い」
『…っ』
「まだ俺の事が好きですか?」
じっと見つめてくる高尾に耐えられなくなって、下を向く。
高尾の胸を軽く叩きながら、小さく、本当に小さく『当たり前だ』と答えた。
どうやら、高尾の耳にはちゃんと聞こえたようで。どんな耳してんだ、と内心思いながらも、またぎゅっと抱き締められた。
そして今度は私も高尾の背中に手を回した。
「俺も…好き」
高尾が言い終わると同時に鳴ったチャイムの音は、まるでオルゴールのような優しい音に聞こえてきて、それを遠くで聞きながら、そっと2人、唇を合わせた。
2人の道は交わって
(やっと心が繋がった)