遠回り恋愛。 / 高尾
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数日後の昼休み、まさかの凛ちゃんから呼び出しを食らった。
アンタ高尾くんに色目使ってんじゃないわよ、とか裏の顔で言われちゃったりしたらどうしよう、とかビクビクしながら屋上に向かった。
まぁそんな心配はすぐに余計だったと分かったけど。
「あのね、ナマエちゃんは高尾くんと付き合ってるの?」
『い、いや』
「そうなんだ!良かった!」
嬉しそうに笑う凛ちゃん。
あぁ良かったね、高尾。アンタ両想いだよ。
「ごめん、それだけ聞きたかったんだ。ありがとう!」
『いーえ、どういたしまして』
それから凛ちゃんは軽く駆け足で、屋上から出て行った。
前に進むと決めたはずなのに、こうも現実を突き付けられると苦しいな。何か揺らいでばっかだな私。
もし2人が付き合い始めたら、高尾と話す機会や時間も少なくなるだろうな。
そんな未来から背くように見た空は、真っ昼間だからか太陽が照りつけていて、すごく眩しかった。
眩しくて瞑った目の片方から出た涙には、気付かない振りをして。強引に拭ってから私も屋上を後にした。
教室に戻ると緑間が1人で本を読んでいて、高尾は居ない様子だった。
『ただいま』
「おかえりなのだよ」
『高尾は?』
「知らん」
『さっすが』
むしろ「知らん」という言葉を聞くが為に、聞いているような質問だ。それほど緑間は高尾の行方を気にしない。
私もお腹が減っていたので、それ以上は気にせず、鞄からお弁当を出して広げた。もちろん緑間の机に。
『お邪魔しまーす』
「毎度のことなのだよ」
『へへ、ありがとー』
「ふん」
『で、今日は何読んでんの?』
卵焼きを口に含みながら、身を乗り出す。口に広がる美味しさを噛み締めながら、緑間が見せてくれた本を見る。
『難しいやつだな』
「お前にとってはな」
ぶーと拗ねて、次にウインナーを口に運ぼうとすると、誰かが横に立った。あれ?デジャヴ?
そう思うも束の間、手を掴まれて引っ張られた。
そのまま歩き出す彼に、お弁当が…!と思いながらも、こちらを見ている緑間にひらひらと手を振って、引っ張られる勢いに身を任せた。
私を引っ張る彼…それは高尾だったから。
見えない表情に
(また心が揺らいだ)