遠回り恋愛。 / 高尾
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あれから数日が経った。
高尾とはいざこざもなく、気まずい雰囲気にもならず、今までと変わりない毎日を過ごしてる。
緑間曰わく「何か違う」らしいんだけど、まぁ前より絆が深くなったかもって事にしておこうと思う。
で、強いて言うと1つ変わった。高尾と凛ちゃんが前より仲良くなったことだ。
凛ちゃんが廊下でぶちまけてしまった荷物を、高尾が拾ってあげたらしい。
なんて漫画みたいな話だろうかと思う。まぁ、それからよく話すようになったみたい。
今も向こうで高尾と凛ちゃんが話している。
私は緑間と話しているのに、あっちが気になって、やはりチラチラと見てしまう。あぁ、楽しそうだな。
「…ミョウジ」
『ん?』
チラチラと見ていたのがバレたのか。なんだか恥ずかしくなって、適当に誤魔化して、緑間を見た。
「…お前は本当にそれでいいのか?」
『…え?』
「俺が何も気付いてないと思うなよ」
お前ら2人の間に何があったかなんて大体察しがつく。とメガネを直しながら緑間はそう言った。
バレてたか。緑間もなかなか侮れないな、って思って軽く笑った。
『いいんだよ』
応援しようって。
前を向こうって決めたんだからさ。
「じゃあ、何でそんな泣きそうな顔をしている」
そう言われて、はっと顔に手をあてる。自分じゃ笑ってたつもりなんだけどな。
やっぱり、そんな簡単に割り切ることなんて出来ないか。ずっと好きだったしね。
でも、いつまでも同じところを見つめてても、前に進めないのも本当だから。
だから、今だけ。
ほんの少しだけ。
『…ごめん、緑間』
立ち止まらせて。
そう言って、後ろの席の緑間の机に顔を伏せた。
今度は泣かない。泣いてなんかやらないんだから。
変なものでも食べた?なんて言っちゃ怒られるけど、珍しく緑間が私の頭を優しく撫でるというデレを見せてくれて。
伏せた暗闇の視界の中、ふっと1人で笑った。
立ち止まらせて
(今だけだから)