遠回り恋愛。 / 高尾
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校門を出た辺りで、凛ちゃんとすれ違った。驚いて心配そうに私を見る凛ちゃんが目に映った。
高尾に想われてる凛ちゃんが羨ましい。そう考えながら、ひたすら…ひたすら走り続けた。
まだ走り続けたいけど、頭と体は比例してくれなくて、息があがってきた。
近くに見えた公園に入って、ブランコに座る。
ぎゅっと鞄を握り締めていた手は、痕がついていて、まるで昨日と同じ様だった。
「結構、早いじゃん」
ザザッと音がして、顔を上げればそこに自転車に乗った高尾が居た。
自転車から降りて、隣のブランコを漕ぎ始める。
『なん、で』
「ほっとける訳ないだろ」
あぁ、なんて優しいんだろう。
でもそれは時には残酷で。私の心をもろとも抉る。
なんか上手く行かないな。
『あの、さ』
「ん?」
『昨日のさ、…無かった事にしてくれない?』
口が震える。無かった事なんてしたくはない。
でも、でも
あれから歯車は噛み合わなくなった。それなら、前みたいに戻る方が良い。
「ふざけんな」
『…え』
「今度は俺が言うよ。ふざけんな」
驚いた私は高尾の方を向いた。けど、隣のブランコには高尾は居なくて、いつの間にか私の目の前に立っていた。
「無かったこと?あれはお前が…お前が一生懸命、勇気振り絞って俺に伝えたことだろ!?
無かったことになんて出来んのかよ!?
俺は…例え、他に好きな人がいようと…嬉しかった」
いつになく真剣な様子の高尾に目を奪われる。1つ1つの言葉が胸に響いていく。
「多分、ナマエだから嬉しかったんだ」
ずっと一緒に居たからな、って笑ってくれた。途端にまた溢れ出す涙。高尾はそっと優しく包み込んでくれた。
何よりも残酷で、でも何よりも嬉しい言葉をもらって、まだまだ人生捨てたもんじゃないなって思えて。
昨日の告白を後悔する事は、もうないだろう。
そして、また新しい気持ちで明日に向かうんだ。
だから
さようなら、私の恋心。