遠回り恋愛。 / 高尾
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忘れてた宿題を緑間に見せてもらったり、うとうと寝そうになったりして、あっという間に時間は放課後だった。
『わ、もう緑間居ない』
「ホームルームが終わるや否や出て行ったぜー」
『部活は?』
「今日はナシ」
『そっかー。じゃ私も、ばいばーい』
「え?」
『え?』
「一緒に帰んねぇの?」
『誘う人が違うでしょ』
確かに途中まで高尾と帰り道が同じ。でもせっかくの部活オフなのに、帰る人が違うでしょ。
「いや、ナマエで合ってっし」
『バカか。あの子誘いなよ』
あの子と言うのは、高尾の好きな子のこと。名前は凛ちゃん。幸い、まだ帰ってない。
「ちょ!なに言ってんの急に」
『急にじゃないよ。せっかくのオフなのに』
「いやオフ関係ないし、マジで急過ぎっしょ。それに」
1つ間が空いて、高尾の奥では凛ちゃんが席を立った。
…何してんの、帰っちゃうよ。
「あの子が好きだからって、ナマエのこと蔑ろにする訳ないだろ」
『…バカ』
本当にバカ。何回言わせる気なのか。もう一回言う、本当にバカだ。
高尾に負けた…形でそのまま自転車置き場に来た。そこには、いつものリヤカー付きの自転車は無かった。
『あれ?今日はリヤカーじゃないの?』
「そ。ささ、乗って」
自転車を跨ぎ、後ろを向く高尾。その姿にときめいて、うっかり乗ってしまいそうになった。ダメだダメだ。
『遠慮しておきます』
「は?なんで」
『そこはアナタの恋人が乗るような所です』
「ナマエ、今日そればっかだな」
は?なんて?そればっか?
そうだよ。何が悪いのよ。
そういうのは、昨日振られた私なんかが居る所じゃない。例え高尾が気にしないって言ったって、私が気にする。
どれだけそこが私が望んで来た場所か。どれだけ私がそこに居たいか知らないくせに。
そこに居る資格はもう剥奪されたんだよ。貴方自身に。
『…ふ』
「…ナマエ?」
『ふざけんな!私の気持ちも知らないくせに!』
また昨日みたいに一心不乱に駆け出した。
あぁ昨日今日でどれだけ走るんだよ、と頭は妙に冷静だった。
でも自然と目からは涙が流れてて、告白なんかしなければ良かったと鞄をぎゅっと握り締めた。
後悔してしまうなら
(最初から言わなければ良かったんだ)