日吉 若
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『日吉ー!』
「抱きつくな、近寄るな。半径20mは離れろ」
私は入学してすぐ、日吉に一目惚れした。
あのツンデレな性格も気に入って、こっちに振り向いてくれるよう。この1年以上アピールし続けた。
最初の頃よりは反応してくれるようになったけど、未だ脈なし。
『……半径20mは長くない?』
「お前にはそれぐらい必要だ」
『…長太郎ー!』
アピールした結果、日吉に苛められる私はいつも長太郎に抱きつく。長太郎は私を慰めてくれる。
「はいはい、ミョウジ。日吉は酷いねー」
『うぅっ、長太郎好きー!』
「俺も好きだよー」
『じゃあ、両想いだー!』
「チッ…勝手にやってろ」
日吉はため息をつき、呆れた顔をしてスタスタと歩いて行く。
『日吉!』
「ミョウジ、たまには引いてみるのもありなんじゃない?」
『でも…』
・
・
・
その日から日吉は抱きつく私を無言で振りほどき、私が喋りかけても無視をするようになった。
私のことがいい加減厄介になったんだ…と思った。
でも、それなら最初からこういう風にしてくれれば良かったのに。変な期待を抱かなくて済んだのに。
『ごめんね……日吉…』
最後、と日吉に抱きついた私は耳元でそう呟いた。その後は、ただただ無心になって全速力で走り続けた。
『あーあー…真面目な私の初サボりー!』
全速力で走り続けた先に着いた場所は屋上だった。
腰を下ろし、壁にもたれかかって空を見る。今日は憎たらしい程の快晴だ。
いっそのことすべて忘れて寝てしまおうと目を閉じた、その矢先だった。
「真面目な俺も初のサボりになっただろうが」
私の隣には夢でも幻でもない、日吉がいた。
嬉しいのに、嫌われてると分かった今、あまり会いたくないのが現実。
『授業、出ればいいじゃん』
「お前こそ、アホなくせに授業出ない気か?これ以上アホになってどうする」
『…ほっといてくれていいよ』
「バカ、ほっとける訳ないだろ…。あんな事言って逃げやがって、どういう意味だよ」
『そのままの意味だよ。今まで抱きついてまとわりついて、ごめんねって意味』
「…………」
『……私の事が嫌いなったんでしょ?だから言ったの』
これ以上日吉に嫌われたくない、迷惑かけたくない。
溢れそうな涙を見せまいと下を向いた次の瞬間、日吉に腕を引かれ抱き締められていた。
「誰がいつ、嫌いって言ったんだよ」
『え…?』
「俺はお前に嫌いだなんて、言ったこと無いぞ」
『でも…』
「…お前は鳳が好きなのか?」
『え?あ、…友達としては好きだよ』
「…それを聞いて安心した」
突如、私を抱き締めている日吉の手に力が入る。
「ナマエ…好きだ」
『っ!?』
「誰にも…渡さない」
『私も…好き…だよ』
「知ってる」
すれ違いも
(君と結ばれるきっかけ)
『長太郎ー!若が、若が苛めるー!』
「また?はいはい、よしよし」
『長太郎好きー』
「じゃあ俺にする?」
「鳳……」
「ふふ、嘘だよ」
「(怖ぇ)」
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