宍戸 亮
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1つ違うクラスというだけなのに、この距離はなんて遠いものなんだろう。
「あ、俺C組」
『え!あたしD組』
「離れちまったな」
『あーあー』
先日、学年が1つ上がってクラス分けが発表がされた。幼なじみの亮とは、どうやら1つ違う隣クラスのよう。
「ま、隣だろ?大丈夫だって」
笑顔で言ってくれるのはありがたいけど、そんな簡単なものじゃなくて。
私が寂しいのは、幼なじみと離れるだなんて理由じゃなくて、好きな人と離れるってこと。
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それから1ヶ月経って、今の状態にも慣れた。
けど、自然と亮との会話も減って、見かけることも少なくなってしまった。
移動教室や全校集会がある度、亮の姿を一目見ようと探してしまう始末で。
女の子と喋っているのを見たら、目を反らしたくなる。
『(隣の教室なのに、こんなにも距離は遠いんだ)』
近くても、遠い。なんて言葉が合うのだろうか。
ある放課後、帰るときに亮のクラスの前を通った時だった。
「お、ナマエ」
『あ、…亮』
「今から帰りか?」
『うん』
「なら、久しぶりに一緒に帰ろうぜ」
『部活は?』
「休みだ、休み」
こんな風に会話をしたのは久しぶりで、前がどんな感じで喋っていたかなんてもう分からない。
「久しぶりだな、全部」
『まとめないでよ』
「色々あるだろ。隣の教室なのに、こんな違うもんなんだなー」
『そう、だねー』
感慨深く言う宍戸を見て、同じことを思ってたんだ、と少し嬉しくなった。
「あ、明日から朝迎え行くわ」
『はーい。………え!?』
突拍子もない提案に驚きが隠せない。
「あ、朝練のとき以外な」
『え、あ、いや何で!?』
「あー、ナマエとあんま喋ってないとなんか調子狂うってかさ。ま、朝だけでも会っておこうか、って自己満足」
分かって言っているのか、天然で言ってるのか分からないけど、恥ずかしい言葉を宍戸は笑って淡々と述べていた。
私は真っ赤になった頬をバレないように、そのあとの会話は全部、地面とにらめっこをしていた。
遠くても、近くても
(結局、私たちの距離は変わらないんだ)
「どした?ずっと下向いて」
『いや、何でもないっす』
「そうかー?熱でもあんじゃねーの?」
『(顔、近い!)』
「んー特に熱もなさそうだな」
『(…天然って怖いです)』
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