仁王 雅治
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▼全国大会直後
▼仁王視点
今この瞬間、俺たちの最後の大会が終わった。
それぞれに泣く者、悔しがる者がおる中、俺はどれにも当てはまらんかった。無心だったと言える。
家に帰ってすぐ、ベッドで横になった。
見上げた天井はやけに真っ白に見えて、まるで心の中を映されているみたいだった。
それが煩わしくなって、近くのテニスコートまで出た。
テニスコートに着いては、ひたすらコートを眺めていた。今日の、さっきまでのことが脳裏に甦る。
『雅治…?』
不意に呼ばれた名前に驚いて後ろを振り返れば、そこには幼なじみのナマエがおった。
無言で俺の横に来たナマエに、何故か俺の心は少し安らいだ。
『…今日の試合、惜しかったね』
「…あぁ」
『雅治も惜しかった』
「………」
団体は関係無しにして、俺は、俺自身は負けた。
コートを見ていると、先程の不二との試合が甦る。今更、胸の奥から悔しさが込み上げてきた。
「……負けたんじゃ」
『うん』
「俺は…」
『…私の中では、いつも雅治が勝ってるよ』
「…!」
その言葉が少し嬉しくて、引き金となったのか涙が少し出そうになった。
『…さぁ、帰ろう?』
何か奢るから、と言ってナマエは俺の先を歩いた。
ナマエの後ろをついて行く前に、立ち止まって振り返り、コートを見る。悔しさは残るけど、不思議と心が軽くなった気がした。
まだ終わってない。
真実を知っているのは
(おまんだけでいい)
「何、奢ってくれるんじゃ?」
『何がいい?』
「焼肉」
『無理』
「ちぇっ、つまらんのう」
『他にないの?』
「……手料理」
『よしきた!』
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