A gleam of hope / 黒刀
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数日、ナマエの近くで過ごしたが、地獄に似つかわしくない平和な生活。
クシャナーダに襲われることなく、またナマエより強い奴は、さほどいない。
だから、なんの恐怖を抱くことなく、この地獄に普通にして居られる。いや、普通に居られるのが、"普通"ではないのだが。
「お前も地獄に居るってことは、相当なことやらかしたんだな」
『まぁ、そうなるかな。そういう黒刀もでしょうけど』
ナマエと行動は共にするようになったが、色々な情報を得ても、地獄を出る方法については少しもボロが出ない。
「お前は、地獄を出たいとか思わないのか?」
『そりゃ出たいよ…!でも、私は管理する者。それはクシャナーダに襲われない代わりに、地獄に半永久的に居なければならないことを示すのよ』
そういうナマエはいつも悲しげで、遠くを見ていた。
『…黒刀はさ、なんで地獄から出たいの?』
「妹の為…」
『へぇ!妹いるんだ、いいな!』
「ま、殺されちまったんだけどな…」
『あ、ごめん…』
「気にすんな。……俺がここを出たいのには、妹に会いたい為でもあるんだよ」
『そっか…。実は…さ、私にも兄貴が居てさ。 車に引かれそうになった私を庇って死んだんだ。
車は逃げて、警察に捕まったにも関わらず"犯人"は逃げだしてさ。私はそいつに復讐して…地獄に来た』
そう語るナマエは、また悲しげな瞳をした。
でもその瞳の奥は、復讐に対する後悔の念に揺らいだ気がした。
「そっか…。お前も大変だったんだな」
そう言い、頭を撫でるとナマエは泣きそうな顔を伏せた。
俺は見ていられなく、胸に引き寄せ「泣けよ」と言った。ナマエは戸惑いながらも、緊張の糸が切れたように子供みたく泣いた。
俺もいずれこいつを裏切るんだ、と思うと心が締め付けられた気がした。