檜佐木 修兵
▼ Name change!
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▼檜佐木視点
『檜佐木先輩!』
俺の名前を呼びながら走って来るのは、この九番隊に新しく入ってきた新米のナマエ。
「だから先輩じゃねぇって。副隊長だっつの」
『先輩は先輩ですから、先輩なんです!』
「意味分かんねーよ」
この隊で俺を先輩呼ばわりするのは、恐らくナマエだけだ。
別に“先輩”と呼ばれるのに悪い気はしないし、ナマエになら別に呼ばれたって構わない。
『先輩、今からどこ行くんですか?』
「書庫だよ。調べ物があってな」
『じゃあ私も手伝います!』
「助かる」
よく俺の手伝いをしてくれるのはありがたいが、自分の仕事はいつ終わらせているのやら。
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「先日の件について、資料あるか調べてくれ」
『あいあいさー!』
そう言ってナマエは駆けて行き、書物を漁り始めた。それと同時にオレも他の場所で書物を漁り始めた。
漁り始めて15分は経過したのだが、あの元気で常に喋っているようなナマエが一言も喋らない。
様子が気になってナマエの方を見た瞬間だった。
「ナマエ!」
ナマエが背伸びをして高いところにあった本を取ったと同時に、本棚が傾き倒れていった。
俺は咄嗟に、ナマエに向かって駆け出した。
間一髪、本棚とナマエの間に入り、なんとか庇うことが出来た。
「大丈夫か?」
『わ、私は大丈夫です!でも檜佐木先輩が…!』
ナマエを庇ったことで、倒れてきた本棚に右肩辺りを少し打ったらしく赤くなっていた。
「…大したことはない」
『大したことないとかじゃないですよ!先輩が怪我をしたらダメじゃないですか!』
「気にするな。お前が無事で何よりだ」
『…バカですよ、先輩』
「…泣くなよ、これぐらいの怪我で」
いつも笑っているナマエが泣いているのを初めて見た。慰めるようにナマエの頭を撫でてやると、すぐに涙は止まって今度は頬を赤く染めた。
『…っほら!早く冷やしに行きますよ!』
そう言って俺の手を引っ張って歩くナマエの頬はさっきよりも赤みが増していて、こいつの色んな表情を見るのは面白くて飽きないな、と思った日だった。
色んな君を
(見るのは、別に悪くない)
『先輩、大丈夫ですか…?』
「あぁ、大丈夫だ。…心配してくれてありがとうな」
『い、いえ!じゃあ仕事があるので!』
「(照れるあいつも悪くない)」