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「ナマエちゃん、お疲れ様。もう終わり?」
「生駒くん、お疲れ様!うん、帰るとこだよ〜」
防衛任務が終わり、さぁ帰ろうと出口に向かってボーダーを歩いていると生駒くんから声を掛けられた。
「良かったら、一緒に帰らへん?」
「いいよ!一緒に帰ろ」
「よっしゃ」
軽く拳を握ってガッツポーズをする生駒くんに思わず笑ってしまう。
そう言えば、2人で帰るのって初めてかも。いつもお互い終わりの時間はバラバラだったり、隊の人と帰ってるから。
でも確か今日は生駒隊、早い時間に終わってた気がしたんだけど…気のせいかな。
「ふふ、そんなに喜ぶこと?」
「やって、めっちゃ緊張してたし」
「緊張?なんで?」
「女の子に一緒に帰ろ〜なんて誘うん緊張するやん」
その言葉にドキッと心臓が跳ねた。でもすぐに冷静になる。
生駒くんは私だから誘うのに緊張したんじゃなくて、女の子の私だから。女の子なら皆緊張するんだろうなぁ。勘違いしないようにしなくちゃ。
そう思って「そうだね」なんて生返事をしてしまった。ちらりと生駒くんを見るも、特に気にした様子もなさそうで、ほっと胸を撫で下ろした。
生駒くんとの帰り道はお互いの隊のことやら、大学のこと、生駒くんの面白エピソードなどなど。話は尽きることを知らず、ずっと喋っていたしずっと笑ってた。生駒くんと話すのは本当に楽しい。
生駒くんがモテたいと言っていたという話を聞いたことがある。
でも、密かに生駒くんのこと好きな子いると思うなぁ。私みたいに。
私もそうだったけれど、関わりがなかったら少し話しかけ辛いかな、苦手かなと思いそう。生駒くん、表情の変化あまりないしね。
でも実際に話をしてみれば、面白くて良い人なんだけどな。
「ナマエちゃん、ちょっと寄り道したいんやけど、この後時間ある?」
「大丈夫だよ。なんか用事?」
「うん、めちゃめちゃ大事な用事」
ほんの少しだけ生駒くんの纒う雰囲気が変わったような気がした。でも続けて「ちょっと歩くんやけど、ごめんな」なんて言った生駒くんは、いつもと変わらない様子だった。
先程と同じように話に花を咲かせながら、目的地へと歩いていく。
階段を上がり、高台へと。夜空と街が見渡せる場所まで来た。
「わぁ、こんなところあったんだね!」
「絶好の告白スポットらしいで」
「こく、はく」
その言葉に生駒くんを見る。「あっ」とやってしまったというような声を出した生駒くんは、壁のパントマイムをしているかのように手をあたふたさせていた。
「ちゃうねん!いや、ちゃうくないんやけど!」
焦る生駒くんを見て、なんだか申し訳なくなってきた。多分、生駒くんは雑誌で見たか、人から聞いただけのことを言っただけかもしれない。
生駒くんからしたらなんでもないことを、私が意識しちゃって突いてしまって。
私も両の手のひらを生駒くんに向けて「分かってるよ」と笑って口を開こうとしたとき。
生駒くんは勢いよく腰を曲げて、片手を私の方に差し出した。
「ナマエちゃん、好きです!俺と付き合うてください!」
口を開け両手を上げたまま固まってしまう私をよそに、生駒くんはそのまま言葉を続ける。
「他の男がナマエちゃんの隣におるなんて、耐えられへん!ナマエちゃんにはずっと俺の隣に居て欲しいです!」
これ夢じゃないのかな。生駒くんが私のこと好きだって。
でもわずかに震えている生駒くんの手が、これは夢じゃないっていってる。
嬉しくて涙が出そうになりながらも、差し出されたその手を私の両手で優しく包む。
「私も、生駒くんのこと、好きです」
それを聞いた生駒くんは勢いよく顔を上げる。生駒くんの頬はほんのり赤く染まっていた。
「ほんっ、ほんまに?」
「ほ、ほんまです」
「ナマエちゃん!」
生駒くんにぎゅうと抱き締められる。
鼻をくすぐる彼の香りと身体の熱さに、心臓が大きな音を立てていく。
「もうナマエちゃんのこと離さへんよ、俺」
「生駒くん、さっきからそんなこと言っていいの?プロポーズみたいだよ?」
「ええんよ。俺、ナマエちゃんと一生一緒におるもん」
「…私も!」
優しい温もりを感じながら、彼の肩越しに見る夜空は、今まで見た中で1番きらきらと輝いていた。
***
「そういやミョウジさん、この前なんかよう知らん男と歩いてるん見ましたよ」
「えっなにそれちょっと待って聞いてない」
「今、言いましたからねぇ」
「嘘やろ…ナマエちゃんが…」
「今やったらまだ間に合うんちゃいます?あれそのまま放っといたら、ミョウジさんあの男に靡いてまいそうでしたよ」
「それはあかん!ちょっと当たって砕けてくる!」
「イコさん頑張ってください〜」
「いや、砕けたらあかんやろ!」
「骨は拾いますね!」
「(まぁ砕けへんし、骨も拾わんでええやろけど。こないでもせな、あの人ら一生くっつかへんからなぁ)」