≠一方通行
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▼ロー視点あり
「やっぱり、似合うよねぇ」
ローさんとロビンが話している、幾度となく見た光景。なのに、この想いが大きくなると共に、その光景を見る度に胸の痛みも大きくなっていった。
***
「…どうした、これは」
「珍しくお酒飲んで酔っ払ったナマエ」
「見りゃ分かる。なんでこうなった」
「さぁね。何か気にしてたみたいだけど」
そう言って、ナミ屋はジョッキに並々入った酒を煽る。怪訝な視線を向けていると、ナミ屋は何かを思い付いたように口を開いた。
「ナマエの酔い覚まし、付き合ってあげて」
「なんで俺が」
「イヤならいいのよ。ゾロに頼むから」
「…イヤとは言ってねェ」
***
ほら、行くぞ。そう言って目の前に差し出された大きな手。それを辿って見上げると、眉間に皺を寄せたローさんの顔があった。
「ろーさんだ、がるちゅ〜〜」
手を取られ、立たされた勢いのままローさんの頬にそっと自分の頬を擦り寄せた。
ほんの一瞬だけ固まったような、気がする。それを感じさせないまま、すぐに手を引っ張られ、ローさんはそのまま歩き出した。
「ろーさん、て、あつい」
「…気のせいだ」
「ろーさん、みみ、あかい」
「気のせいだ」
そっかぁ、気のせいかぁ。やっぱり私じゃ、意識してくれないなぁ。
きっと私はこの背中ばかり追いかけて、隣に並んで一緒に景色を見ることなんてないんだろうな。
そう考えしまって、ぎゅうぎゅうと胸が締め付けられた。悲しい。好き。苦しい。
でも、今だけはこの温もりを手放したくなくて。繋がれた手にぎゅっと力を込めたら、同じ力の強さで返されて。それだけで、締め付けられていた心臓が解れていく。
今はこれでいいや。
納得と諦めに似たそれは、誰にも聞こえることなく心の奥底へと沈んでいった。