≠一方通行
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どくどくと心臓が騒ぎ始める。
伏せられていた目と目が合った途端に、ダメだと思った。これは、所謂一目惚れだ。
それに加え、どうしようもなくこの人を好きになってしまう。そんな運命のような、予感めいたような何かが身体を駆け抜けていった。
手配書で見たことはあった。けれどやはり本物は違うものだ。背の高さ、手足の長さ、射抜くような鋭い瞳に、女の人が放っておかないだろうルックスの高さ。
とんでもない恋をしてしまったものだと、自分でも思った。今は同盟とはいえ、元は敵の、他の船の船長だなんて。
未だ鳴り止まない心臓とこの感情を誰にも知られないように、皆が同盟のことで騒いでいる中、フランキーの後ろへとそっと隠れた。
***
あれからと言うもの、私は極力トラ男ことトラファルガーさんに近寄らないように、話さないようにしていた。
食事の時はなるべく遠くに座るように、すれ違う時は会釈で済ます、といったことをしていた。だって絶対、意識しちゃうから。
それが今、備品庫で整理をしているとばったり鉢合わせしてしまった。左右を見渡しても、逃げ場はない。
「えと、なにか御用でしょうか…?」
備品庫にまで来るなんて、私か備品庫に用があるのだろう。おずおずと聞いてみれば、「ナミ屋に、暇ならお前を手伝って来いと言われた」とトラファルガーさんは答えた。なるほど、ナミが言いそうだ。
ここでトラファルガーさんを帰しても、ナミにどやされそうだなぁ。と思い、私が作業していた反対側から、今あるもののリストアップをお願いする。
足りないものがあれば、後でそのリストを見て私が判断すれば良いだろう。
「他船の船長様にこんなことお願いするのはアレですが…」
「乗せてもらってる身だ。それぐらいやる」
そう言って2人で備品庫の整理に取り掛かる。外からルフィ達が騒いでいる声が聞こえてくるだけで、私たちの間に会話はなく、静かな空気が流れている。き、気まずい。
「…お前は他の奴らと違って、俺を歓迎してないな」
少し経った頃、トラファルガーさんがそう口を開いた。
「いや、その、別に歓迎してないわけではないのですが…」
「現に避けてるだろ、ナマエ屋」
そう言いながら、トラファルガーさんはリストを渡してきた。もう終わったのか、早いなぁ。
1番上の紙に目を落とせば、とても綺麗に纏められているのが分かる。流石、お医者さんということか。
そして「まぁそれが普通だがな」と言って彼は背を向けた。
このまま行かせてしまっては、誤解されたままだ。それはどうにも寂しい。
「…ひ、」
「ひ?」
「ひ、人見知りなだけです!」
私の言葉に振り向いたトラファルガーさんは、特に興味なさげな顔で「そうか」と言って、また再び背を向けて備品庫から出て行ってしまった。
あなたに一目惚れしたから避けてました、なんて口が裂けても言えるわけないでしょ。
伏せられていた目と目が合った途端に、ダメだと思った。これは、所謂一目惚れだ。
それに加え、どうしようもなくこの人を好きになってしまう。そんな運命のような、予感めいたような何かが身体を駆け抜けていった。
手配書で見たことはあった。けれどやはり本物は違うものだ。背の高さ、手足の長さ、射抜くような鋭い瞳に、女の人が放っておかないだろうルックスの高さ。
とんでもない恋をしてしまったものだと、自分でも思った。今は同盟とはいえ、元は敵の、他の船の船長だなんて。
未だ鳴り止まない心臓とこの感情を誰にも知られないように、皆が同盟のことで騒いでいる中、フランキーの後ろへとそっと隠れた。
***
あれからと言うもの、私は極力トラ男ことトラファルガーさんに近寄らないように、話さないようにしていた。
食事の時はなるべく遠くに座るように、すれ違う時は会釈で済ます、といったことをしていた。だって絶対、意識しちゃうから。
それが今、備品庫で整理をしているとばったり鉢合わせしてしまった。左右を見渡しても、逃げ場はない。
「えと、なにか御用でしょうか…?」
備品庫にまで来るなんて、私か備品庫に用があるのだろう。おずおずと聞いてみれば、「ナミ屋に、暇ならお前を手伝って来いと言われた」とトラファルガーさんは答えた。なるほど、ナミが言いそうだ。
ここでトラファルガーさんを帰しても、ナミにどやされそうだなぁ。と思い、私が作業していた反対側から、今あるもののリストアップをお願いする。
足りないものがあれば、後でそのリストを見て私が判断すれば良いだろう。
「他船の船長様にこんなことお願いするのはアレですが…」
「乗せてもらってる身だ。それぐらいやる」
そう言って2人で備品庫の整理に取り掛かる。外からルフィ達が騒いでいる声が聞こえてくるだけで、私たちの間に会話はなく、静かな空気が流れている。き、気まずい。
「…お前は他の奴らと違って、俺を歓迎してないな」
少し経った頃、トラファルガーさんがそう口を開いた。
「いや、その、別に歓迎してないわけではないのですが…」
「現に避けてるだろ、ナマエ屋」
そう言いながら、トラファルガーさんはリストを渡してきた。もう終わったのか、早いなぁ。
1番上の紙に目を落とせば、とても綺麗に纏められているのが分かる。流石、お医者さんということか。
そして「まぁそれが普通だがな」と言って彼は背を向けた。
このまま行かせてしまっては、誤解されたままだ。それはどうにも寂しい。
「…ひ、」
「ひ?」
「ひ、人見知りなだけです!」
私の言葉に振り向いたトラファルガーさんは、特に興味なさげな顔で「そうか」と言って、また再び背を向けて備品庫から出て行ってしまった。
あなたに一目惚れしたから避けてました、なんて口が裂けても言えるわけないでしょ。
1/10ページ