トラファルガー・ロー
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▼麦わらの一味夢主
▼ロー視点
▼ロー視点
夜も更け、ベッドに沈む。散々、クルーの奴らに誕生日を祝われたせいか、目を閉じてもまだ気持ちが昂っているような気がして、中々寝付けなかった。
そういえば、電話すると言っていたナマエからの連絡はまだない。時計に目をやれば、針は12時を回っており、日付はもう7日になっていた。
そう考えていれば、プルプルプル、と電伝虫の音が静寂の中響いた。
「あっ、もしもし、ローさん?夜遅くにすみません。寝てました…?」
「いや、起きていた」
「良かった…!ちょっとお話ししたくて!」
そう言ったナマエから、次から次へと出てくる話に耳を傾ける。よく喋るとは思うが、不思議と嫌な感じはしない。感情豊かなその声には、どこか心地良ささえ感じる。
それでも、言葉ひとつでも祝って欲しかった、だなんて思ってはいないが、未だに出て来ないその話題に少しの寂しさを覚えて、つい溢してしまった。
「…会いてェな」
「えっ!?」
溢れたそれは小さい声だったはず。なのにそれはナマエに届いてしまったようで、つんざくような声が返ってくる。
「うるせェ」
「いや、だって、びっくりして…。ローさん、そんなこと言うんですね。私ばっかり会いたいと思ってるのかと…」
嬉しいです、と笑ったであろうナマエにつられるように思わず俺も笑みが溢れた。
目を瞑れば、目の前にナマエがいるような、そんな感覚に陥る。
「俺だって、ナマエの髪に、唇に、身体に触れ
「わー!!」
顔を赤くして慌てふためくナマエの様子が容易に想像出来る。そして、少しの沈黙。不思議に思い、どうした、と声を掛ける。
「…冗談だ、って言わないんですね」
いつも揶揄う時、そう言うのに。とナマエは言った。確かに、言っている覚えはある。よく聞いているものだ。だが今回は。
「まぁ、冗談じゃねェからな」
「なっ!?」
声を聞いてしまえば、会いたい、触れたい気持ちは募るばかりだ。航路が違うのだ、会えるわけが無いのに。
「あっ、ローさん!外、出てみてください!」
ナマエの電話の向こうがざわつき始めると同様に、こちらも表が騒がしくしているようだった。なんだ、と思いつつ、鬼哭を持って部屋を出る。
甲板に出ると、そこにはクルーに囲まれているナマエがいた。そのナマエの向こうには麦わら屋の船が。
「あっ!ローさん!」
手を振ってこちらに駆けてくるナマエ。「来ちゃいました」と笑うナマエに、俺はまだ事態が上手く飲み込めず、言葉が出なかった。
先程まで電話の向こうで聞いていた声が、ナマエが、今ここにいる。
「トラ男〜!お前、今日…いや昨日か!誕生日だってな〜!祝いに来たぞ〜!」
向こうの船から大きな声で、麦わら屋が叫んでいる。そういうことです、とナマエはこちらに目を向けて微笑んだ。
「みんなに頼んでみたら、快諾してくれて!本当は昨日中に来たかったんですけど、ちょっと間に合いそうになくて…すみません」
「…謝る必要なんてねぇよ」
まったく予想もつかないようなことをしてくれる。ただ、今だけは、こちらに来るということを許してくれた、あの自由奔放な麦わら屋に感謝しなくては。
そうこうしているうちに、ぞろぞろと麦わら屋の仲間たちが、こちらの船に乗り込んできた。
「宴だ〜!」と叫んだ麦わら屋の声を皮切りに、こちらのクルーも一緒になって宴の準備をし始めた。
少し前までこっちでもやってただろうが。またやるのか。
私も手伝ってきます、と言って走り出そうとするナマエの手を掴んで止める。
「ナマエ、さっきの言葉忘れてねェだろうな」
「えっ!?」
耳元でそう囁けば、顔を赤くして離れようとするナマエ。だが、それもお見通し。ぐっと腰に回した手からは、逃げようにも逃げられまい。
「でも、その、ちゃんと誕生日プレゼントも用意してますので…」
「それもありがたく頂く。だが、お前も欲しい」
「うぅ…」
「宴が終わったら、覚えておけよ」
もう一度、耳元でそう囁けば、耳まで赤くしてナマエは観念したかのように頷いた。
***
10/6
貴方の生まれた日を祝う宴をもう一度!