五条 悟
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「ねぇ、僕と結婚してくれない?」
と五条さんに言われたのが2週間前。
前後の話の脈絡もなく切り込まれたその言葉に、まったく状況が読み込めず「すみません」と咄嗟に、そして丁重にお断りさせて頂いた。
「ねぇ、僕の彼女のフリしてくれない?」
と五条さんに言われたのが今この時。以前よりハードルはかなり下がった。少し複雑な気もするけれど。
そして、家がどうとかとフリをして欲しい理由を、あれやこれやと聞いて納得した。
「まぁ…フリなら」と了承をしたが、満面の笑みを浮かべた五条さんを見て、判断を誤ったのではないかと心配になった。
「というか、フリをして欲しいなら、最初からそう言ってくれればいいじゃないですか。あんな、結婚してなんて言わなくても」
「はい、喜んで。って良い返事貰えるかなぁ、とちょっと期待したんだけどね。残念」
「あんな冗談、間に受けませんよ」
「冗談ではないんだけどね」
そう言った五条さんを見上げると、優しい笑みを浮かべていた。
「…マジですか」
「マジマジ大マジ」
「でも今、彼女のフリって…」
「フリでも彼女にはまぁ変わりないでしょ。それにフリからでもさ、意識してもらわないと」
五条さんは、ほんの少しだけ困ったような顔をして「君、僕のこと男として見てないでしょ」と言った。
確かに、五条さんは魅力的だとは思うが、恋慕の感情は抱いたことはない。先輩として呪術師として憧れてはいるが、なんだか遠い人だとも思う。
「だって、そんな急に」
「だから、フリから始めましょうって訳」
了承してくれたよね?と念を押され、逃げ場をなくしてしまった。
渋々頷くと、優しく手を取られた。自分よりも一回り大きいしっかりとした手に、先輩でもあり男の人でもあるということを改めて再認識させられ、心臓の鼓動が速くなる。
「これから君のこと、落とす自信はあるからさ。
結婚のこと、前向きに考えといてね」
耳元でこんなことを言われてしまえば、意識せざるを得ないじゃないですか。ねぇ、五条さん。