伏黒 恵
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「野薔薇ちゃん、〝揺るがない人間性〟って何だと思う?」
この前、東堂先輩に好きなタイプを聞かれ、少し考える素振りをした後「その人に揺るがない人間性があれば、それ以上は求めません」とそう言った伏黒くん。
密かに想いを寄せていた相手の好きなタイプ。それを聞いて、チクリと胸が痛んだ。
誰かを思い浮かべて、言ったであろう言葉。そして、私にそんなものがあるとは思わないから。
「なんか最近聞いたことあるわね……あっ!伏黒の好きな
「わー!声が大きいよ、野薔薇ちゃん!」
慌てて野薔薇ちゃんの口を塞ぐ。誰かに聞かれていないかと周りを見渡すが、誰も居ないようでホッとした。モゴモゴと口を動かす野薔薇ちゃんから、パッと手を離した。
「ナマエ、もしかして伏黒のこと」
「う、うん」
「そっかぁ〜〜へぇ〜〜」
「で、さ!野薔薇ちゃんはどう思う!?」
ニヤニヤと笑いながら、こちらをじっと見てくる野薔薇ちゃんから逃げるように、話を元に戻す。
「えー、アイツの考えてることなんて分かんないけどさ、自分をしっかり持ってるかとか、そういう話じゃないの?」
「そう…なのかな。じゃあ、やっぱり私じゃダメかなぁ」
「そう?ナマエ、めちゃめちゃ気遣い出来るし、ダメなこともダメって、ちゃんと言ってくれるじゃん。そういうの大事よ。
…ね、伏黒?」
その名前を聞いて、心臓が飛び跳ねた。バッと後ろを振り向くと伏黒くんが立っていた。
「何の話だ?」
「アンタのあの〝揺るがない人間性〟ってやつの話」
「なんでそれを蒸し返すんだよ…」
呆れたようにため息を吐いた伏黒くん。その様子から、どうやらさっきまでの野薔薇ちゃんとの会話は聞かれてないようで、胸を撫で下ろす。
「ナマエが悩んでるのよ。人間性ってなんだろう、私って人間性ないのかな、って」
「の、野薔薇ちゃん!」
攻めるように野薔薇ちゃんの名前を呼ぶも、野薔薇ちゃんは舌をペロっと出して、おどけてみせた。
「何に悩んでるのか知らないけど、ミョウジはちゃんと持ってるだろ」
「そ、うかな」
「少なくとも俺はそう思ってる」
自分では持っていないと思っていたもの。それは好きな人にそう言われると、やっぱり嬉しい。
「伏黒さぁ、それってナマエのこと好きって言ってるのと同じじゃない?」
「なっ!?」
「だって、〝揺るがない人間性〟持ってる人タイプなんでしょ?」とニヤニヤしながら言う野薔薇ちゃんとそれに慌てる伏黒くん。
「別にそう言うのじゃ…!」
「はいはい。ちなみにナマエの好きなタイプは?」
今なら言えるかな。この胸の奥に広がる温かい気持ちを。胸元で手をギュッと握り、意を決する。
「私も伏黒くんみたいな、〝揺るがない人間性〟を持ってる人が好き…かな」
言ったは良いものの、ドクンドクンと心臓がうるさい。体が熱くて、恥ずかしくて、「五条先生に呼ばれていたんだ」と嘘をついて、その場から逃げ出した。
「良かったじゃん、伏黒」
「…うっせ」