伏黒 恵
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伏せられた目に長い睫毛が揺れている。格好良いと言うより、今は美人と言う言葉が似合う気がする。
呪霊討伐任務へのバスでの移動中、連日の任務でお疲れなのであろう伏黒くんは「悪い。着いたら起こしてくれ」と言って、目を閉じてしまった。
「…見られてると、寝られないんだけど」
「ご、ごめん」
熱烈な視線を送ってしまっていたのだろうか、伏黒くんは気まずそうにそう言った。
一度目を逸らしたが、気になってしまいまたチラリと覗き見たら、伏黒くんと目が合ってしまった。
「…なんか文句あるなら言えよ」
「い、いや、睫毛長いなぁって」
「は?」
本当に何か文句を言われると思っていたのだろうか、伏黒くんは少し目を見開いて驚いた顔をした。
「私なんてさ、全然睫毛長くなくて。伏黒くんが羨ましいな〜って」
「そんなことないだろ。ちょっと目閉じてみろ」
そう言われて素直に目を閉じる。優しい手つきで目元を擦られると同時に「ほらね」と言えば、「そうか?」と少し間の抜けた返事が返ってきた。
そして、ふに、と唇に指の当たる感触。少しかさついた指はそのまま、下唇をなぞっていった。
「ふし、ぐろ…くん?」
全身が熱い。心臓がうるさい。
どうしたのか、となんとか告げた伏黒くんの名前。
目を開けた途端、至近距離で伏黒くんと目があった。それも一瞬、すぐに伏黒くんは飛び退くように離れて行った。
「わ、わるい」
「だ、大丈夫」
顔は背けているが、耳まで真っ赤な伏黒くんに、もしかして…と思いながらも、それを問いかける勇気はなかった。
現地に到着しても、私もおそらく伏黒くんも顔の熱は引かず、赤くさせていたままだった。
それを見た伊地知さんに、不審に思われながらも心配されてしまった。ごめんなさい、伊地知さん。
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