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「来ちゃった…」
私が降り立ったのは、宇佐美さんの住むマンションの前。彼に何も告げずに、サプライズで会いに来たのだ。
お互いに仕事で忙しく、休みが合わなくて中々会うことが出来ない。特に宇佐美さんは外務大臣臨時代理に任命されてからは、さらに忙しそうにしている。私の頭の中で想像しているものよりも、大変な仕事なんだろうなと思う。
それでもメッセージを送れば、返事が遅くなっても必ず返してくれるし、宇佐美さんもこまめにメッセージを送ってくれる。気持ちだって伝えてくれる。だから、何も心配はしていない。
けれどやっぱり、姿を見て、声を聞きたい日もあるわけで。
思い立ったが吉日。仕事終わりに次の日の休みをなんとかもぎ取りつつ、ここまで来たと言うわけだ。
宇佐美さんの帰宅時間は「帰った頃に電話がしたい」と連絡して、それとなしに聞いておいた。
宇佐美さんが帰宅すると思われる20時…から30分程経った。残業でもしているのだろうか、宇佐美さんはまだ帰って来ていない。
同じマンションであろう人に少し不審な目を向けられながらも、マンションの前で待ち続けていた。
本格的な冬はまだ来ずとも、夜になれば多少なりとも気温が下がり冷えてくる。ぶるりと身体が震えた。
サプライズにはならなくなってしまうけれど、どこかで時間を潰しながら、改めて連絡した方が良いかもしれない。
はぁと息を吐いた時。コツコツと革靴が地面を叩く音が聞こえて来た。
その音の主は、ずっと待ち望んでいた人で。
目が合ったのを確認してから、ひらりと手を振る。
宇佐美さんは見間違いだと言わんばかりに片手で眉間を摘み、目を閉じ左右に少し頭を振った。そしてゆっくりと目を開けて、こちらを見据えた。
現実だとご確認頂けたのか。早足で宇佐美さんがこちらへと近付いて来て、私の前でぴたりと足を止めた。じっと顔を見つめられる。
「…ナマエ」
「はい!宇佐美さん、来ちゃいまっ」
私が言い終わるより先に、宇佐美さんの腕が伸びて来て抱き締められた。
「…会いたかった」
「私もです。すみません、急に」
「いや…来てくれてありがとう」
背中に回る手に少し力が込められる。宇佐美さんから伝わる温かさに身を委ねようとしたら、マンションに入る通りすがりの人の咳払いが聞こえてきて、びっくりして2人同時に飛び退いた。
「……中に入ろう」
「そ、そうですね」
宇佐美さんの後ろに続いて歩いていく。
先程の余韻も束の間、宇佐美さんの部屋に着くまでの間、「やはり事前に言ってくれ。何かあったらどうする、危ないだろう」とお説教されてしまった。
だが、宇佐美さんの言うことはごもっともである。頷きつつも、しゅん…としていたら「今度は私から会いに行こう。サプライズはナシだがな」と意地悪そうに笑って言ってくれた。
それだけで温かな気持ちが広がっていく。本当に、私の扱いが上手な人だ。
部屋に入って、宇佐美さんが用意してくれた飲み物を飲みながら2人ソファに座って話をしていると、だんだんと彼の雰囲気が緩くなっていくのを感じる。
家に帰って気が緩んだのか、疲れが出たのか、眠そうだ。
「宇佐美さん、眠そうですね。もう寝ます?」
「はは、バレていたか」
「そりゃあ、まぁ」
「今、部下から電話が来たら大変だな。まともな判断が出来るか分からん」
「ふふ、それは困りましたね」
「……少し、膝を貸してくれないか?」
「え?」
私の返事を待たずに、テーブルにことりと静かにコップを置いて、私の膝に頭を乗せ横になった宇佐美さん。
「すまないが、15分経ったら起こしてくれ」
「…それで寝れます?」
自分で言うのもなんだが、寝心地が良いとは思えない。ましてや人に膝枕するなんて初めてのことなので、勝手も分からず、下を向けば彼の整った顔があることにドキドキするばかり。
「あぁ…安心する」
目を伏せて、口元はゆるやかな弧を描いた宇佐美さん。
「せっかく来てくれたのに、すまない」
「私が勝手に来たんですよ。それに…こうやって会えるだけで私、嬉しいんですから」
「それは…私もだ」
宇佐美さんの声がだんだんと小さくなっていく。
手持ち無沙汰になった手で、彼の整えられた髪をゆっくりと梳かしていく。それを咎められることもない。
私にだけ見せてくれている姿に、自然と頬が緩んでいく。
今は寝かせておいてあげよう。
まだまだ、時間はあるのだから。
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「ナマエは、明日休みなのか?」
「はい!もぎ取りました!」
「なら、私ももぎ取ってみるか…」
「取れなかった…すまない」
「(わぁ、めちゃくちゃ眉間に皺が)
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