五条 悟
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▼高専時代
「満天の星の下で夜景を見ながら、愛の告白をされたい」
「ドラマの見過ぎ」
ハァとため息をつかれ、呆れられながら硝子に言われた。
そう、昨日のドラマの中で、主人公が意中の男性に星空の下、夜景が一望出来る場所で「好きだ」と告白されていた。そんなロマンチックなシーンを見て、あぁこんな風に告白されてみたい、と思ったのだ。
「あんな告白されたら、絶対OKしちゃう」
「夢見過ぎじゃね?」
どこからともなく聞こえたその嫌味に振り向けば、五条がニヤニヤと笑って立っていた。
「夢見て何が悪いのよ」
「現実は甘くないぞ〜」
ハハハ!と悪役のような高笑いをしながら、五条は去って行った。なんだったんだ、一体。
そして、その夜「20時に寮前」とだけ書かれたメールが五条から来た。
何の用だと大人しくその場所に向かうと、ズボンのポケットに両手を入れて五条が佇んでいた。
目が合うと何も言わず、行くぞ、と顔をくいっと振られる。まるで今からカツアゲに合うような気分になった。
少し前を歩く五条にどこに行くのかと聞いても、黙って付いて来い、としか言ってくれなかった。本当にカツアゲに合うのでは?
という心配も徒労に終わる。寮から少し山の方に歩き、開けた場所に出た。
そこからは高専の校舎はもちろんのこと、街の方までも見ることが出来た。
「こんな場所あったんだ…!」
今日は快晴、空は澄み切り、きらきらと輝く星がよく見える。ビルや街の街灯も様々な色を見せて綺麗だ。
何でこんなところに、と聞こうと五条の方を向くと、真剣な顔でこちらを見る五条と目が合った。
「ナマエ、好きだ」
その口から紡がれた言葉に、息を呑む。
広がる星空に、夜景が一望出来る場所、それに愛の告白。今日、硝子に話したドラマの話を思い出す。
「告白、絶対OKしてくれるんだろ?」
「アンタ、それ…」
「そ。俺、こうでもないと言えない臆病者なの」
そう言った五条は少し笑って、夜空を見上げた。五条の青い瞳に、星空が映る。
なによ、現実は甘くないぞ。なんてからかって来たくせに。
「まぁ、俺にここまでさせといて、逃す気はさらさらないけどな」
その言葉と共に、五条の胸の中に引き寄せられた。トクントクンと聞こえる鼓動の音と触れる体温に、私は身を任せた。こんなの、OKしちゃうに決まってるじゃん。