嫌よいやよも、 / 一氏
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あぁ気のせいだと思いたい。
なんで言ってしまったんだろう。なんでコイツは起きているんだろう。
「今のホンマか…?」
一氏の言葉を聞いて咄嗟に私は寝たふりをしたが、鼻をつままれて息が出来なくなり…、
『死ぬ…!』
はい、見事にバレました。
「今のホンマかって、聞いとんやけど」
『えっと何のことやら、あはは』
「……………」
真顔の無言で見つめてくるのは、ちょっと怖すぎる。これは真面目に答えないと、鉄拳が飛んできそうだ。
『はいはい好きです!一氏が大好きで…』
叶わないと分かっているのに、わざわざ言わせる一氏は酷い奴だ。ヤケクソで口にしたけれど、全てを言い終わる前に、私は口を塞がれた。
一氏の口で。
『…な!ななな!』
「はっ。間抜け面!」
『いやいやいやいや。何ですか一氏さん?え、一氏コラ!』
「ちょ、お前病人やろ。もうちょっと静かにせぇや!」
確かに言われた通り、少し声を張り上げただけで頭痛が。
いや一氏のせいでしょう。つかこっち向けや!
『ちょ、なに今の』
「俺もお前のことが好きやっちゅー話」
『え、え、え?でも、一氏って小春ちゃんが…』
「小春も好きやで。…たまーに、お前に負けるけどな」
こっちを向かなかった一氏が、最後にこっちを向いてかすかに笑った。
それを見た瞬間、涙腺がこう…ぶわっと。
『バカ一氏…!』
泣き顔を見せたくないから、腕で顔を覆う。
「泣きなや、泣き虫」
『だって…!』
「はいはい」
また口に柔らかい感触が当たって、耳元で「これからもよろしゅう頼むで、ど阿呆」と囁かれた。
覆っていた腕をのけ、一氏の顔を見ると頬がかすかに赤くなっていて、それを見た私は心の底から微笑んだ。
新たな始まり
(私と貴方の)
「呼びに来たで、お二人さん!」
『「おおぉう!」』
「なんや二人してからに~」
『い、いつからおったん?小春ちゃん…!』
「だーいぶ前!ユウくんったら結構大胆なのね!」
「ちゃうねん、ちゃうねん!小春!」
『コラ一氏、ゴラァ…!』