嫌よいやよも、 / 一氏
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なんか最近、一氏を意識し過ぎて何もかもが空回り。上手く一氏と会話出来なかったり、言い合いも前みたいにろくに出来ない。
いっそ小春ちゃんに相談してみよか…うん、そないしよ!
いや…待って。一氏って小春ちゃん好きなんちゃうん…あかんやん!色々あかんやん!
「なに百面相しとんねん」
『ぶつぶつぶつ…』
「気付いとらんし」
「そっとしといたりぃな」
「こ、小春!」
「恋の悩みでも抱えとるんちゃいます?」
「恋…の?」
『あ、お二人さん』
色々考えとったけど、私の知識の足りん頭でこれ以上は無理や思うて止めた。
ふと人の気配を感じたと思えば、私の隣に小春ちゃんと一氏が立っていた。
「お前…恋しとるん?」
『えぇえぇえおあぁあ!?』
「狼狽え過ぎやろ」
「なん?ナマエちゃん、恋の悩みやったら乗ったるで~」
『さ、さいなら!』
これ以上居ると、確実に恋の悩みとやらを吐き出されそうなので、私は逃げた。
「ほんまっぽいわね~」
「……………」
逃げた先は屋上。
私にはここしかないというか、この学校で一番のお気に入りの場所。
そういやここで、一氏の暴言に対して泣いとったな…それで一氏が来て。もしかしたらあれからやったんかな。
一氏のことが好きになったんは。
暴言だけやなくて、優しいところもあって…
考えていることが恥ずかしくなってきて、フェンスに手を掛けて顔をうずめた。
「よう」
声がした方向に振り向く前に、相手は私の隣に来て、フェンスに背中をかけた。
『お、おぉう一氏…』
「ようここにおんなお前」
『ここ好きなんや、学校で一番』
そう言って見上げた空は青くて、心地よい風が吹いて、より一層この場所が好きになる。
「お前…好きな奴おるん?」
『ぶほっ』
「…………汚い」
『うっさいわ!お前のせいや!』
手をグーにして小突こうとすれば、その手を掴まれた。
『一氏…?』
「好きな奴って中山…?」
中山くん…また中山くん…?
雰囲気をぶち壊すようで悪いけど、言いますよ聞きますよ。
『違います。…で、中山くんやたら推してくるけど…推しメン?』
聞いてしまった! やって、やたら中山くんの名前出してくるやん!
もしかして、一氏って中山くんのことが…
「違うわ、ど阿呆!死なすど!」
『え、じゃあ他に好きな人おるん…?』
手を掴まれたまま、真っ直ぐな視線に捉えられて 私も目が離せない。
「そら…」
何かを言おうとしたところ、扉の方から話し声が聞こえてきて、一氏は私からぱっと手も視線も離した。
「チャイムなるな、行こで」
『お、おう…』
その言葉の続きが
(気になって眠れない)