Eternal / 跡部
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「…実は全部覚えてた」
『えっと…何のこと?』
「分かんねーのか?…子供の頃のことだよ」
『え…?』
私に背を向けながら、ブランコを見つめている跡部くん。
本当に覚えてるの…?
「覚えてない、だなんて嘘付いて悪かった」
『な…んで、跡部くんにとって忘れたい過去じゃなかったの?』
はぁ?と怪訝そうな顔を私に向ける。
体ごとこちらに向いたと思えば、いつの間にか私は跡部くんの腕の中にいた。
「…勝手なこと言うなよ。俺にとって、あの時は大切な時間だった」
『じゃあ、なんで』
「何も言わずに消えた奴が、ある日ふらっと帰ってきやがった。
物心つけば、あの頃の事は仕方ない事だったって分かる。だが、子供みたいに強がった結果がこれだ」
じゃあ…跡部くんにとってあの頃の事は、忘れたい過去じゃなくて大切な時間で、ちゃんと覚えててくれたんだ。
そうと分かると、涙が止まらなくなった。
『…跡部くんっ、離して。服汚れちゃうよ』
「誰が離すか」
より一層、跡部くんの抱きしめる力が強くなった。
「…俺がなんとかしてやる。だからもう何処へも行くな」
『うん!』
「あぁ、泣くな」
抱きしめながら、頭を撫でてくれる跡部くんに少し恥ずかしくなってきて涙は薄れてきた。
そして今の私には、跡部くんに伝えなきゃいけないことがある。
『跡部くん。私ね、跡部くんに伝えなきゃいけないことがある』
「なんだよ」
『ありがとう!』
あの頃の私に、大切な時間をくれて。
あの頃の事を、大切な時間だと言ってくれて。
そして、今また私と会ってくれて。
「ナマエ」
『…な、なに?跡部くん…』
「景吾」
『へ?』
「景吾」
『景吾くん…?』
「……ナマエ、好きだ。俺と結婚してくれ」
『…喜んで!』
再び誓おう
(あの時の約束を)