ストレートラッシュ / 白石
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「俺、あの日のミョウジ思い出したら怖い」
『うっさい同じ目に合わすぞ』
「やってまえミョウジー」
謙也のその言葉に、冗談半分に返すとマジに怖がる謙也。と、ウチの背中をおすユウジ。
あの日、うちは女子生徒に制裁を加えた。口では言えん感じの。
あれからパッタリ嫌がらせも消えて、うちは平凡な毎日を過ごしとる。
変わったと言えば、女テニと男テニの仲が良うなったことやな。
今日も合同練習。仲良うなってから、たまにするようになったんや。まぁ体格差はあるけど、お互いテニスにえぇ刺激になるし。
「強か女ばいねーミョウジ」
「ナマエ強いん!?わいと勝負しよー!」
「金ちゃん、女として強いってことよ?」
「でもナマエ強いんやろ!わいと勝負ー!」
『…まぁえぇか。やろか金ちゃん!』
「先輩、後で俺ともお願いしますわ」
「部長、その後は私で!」
『あいよ!』
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元気が有り余っとる後輩との連戦の後は、かなりキツかった。手加減ってものを知らんのか。
疲れて、木陰で涼んどったら白石がテニスコートの方からやって来た。
『休憩?』
「うん、ちょっとな」
『あ、そういや白石に一番心配かけたなー』
ふと白石の顔を見て振り返った記憶は、白石にいつも心配かけたウチが居た。
「ホンマな」
『すまんかった』
「いや…結局俺は何も出来んかったし」
『いやいや、そんなことあらへんで』
「………」
『白石の言葉、ウチの中では結構力になってたりしたんやで』
そう言い白石の方を向くと、片手で口を押さえていた。少し頬も赤く見えた。
『照れとん?』
「…気のせいやろ」
『珍しいもん見れたわ!』
と立ち上がってテニスコートに戻ろうとすれば、腕を掴まれ後ろに引き寄せられた。
バランスを崩して、白石の足の間に座る形になる。そして…これは白石に後ろから抱きしめられとる?
「…照れとる?」
『ななななななんやねん!』
「珍しいもん見たわ」
『うっさい!』
こういうん免疫無いから、耳とか真っ赤なんバレとるやろな、くっそ。
「まぁ、こっからやから覚悟しいや」
耳元で呟かれた言葉に、うちは全速力でコートに戻った。こん時は、浪速のスピードスター(あ、言えた)ぐらい速かった思う。
コートでは、木陰からこちらを見る白石を意識しないようにして。
火照る頬をバレないようにして。