ストレートラッシュ / 白石
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あの呼び出しから、パタリと嫌がらせは無くなった。やけどそれが逆に怖い。
なんやもっと良からぬ事をされそうで。
「部長!」
部室に行った途端、そう呼ぶ後輩に嫌な予感がした。
『なんや…これ…』
「私が来たときには、こうなってて…」
荒れた部室。ロッカーは開いたままゴミは散らかって…そして破れたウチのジャージとガットの切れた少し歪んだラケット。
『はは』
笑うしかあらへん。まさかテニス部にまで手出すなんて。ウチだけにしとけや、卑怯な。
ラケットを手に持つ。長年共にしてきた相棒。それがこんな形にされて…。
「ナマエちゃん!?…さっき部室のこと聞いて…」
部室の入り口を向けば、小春ちゃんが心配そうにこっちを見ていた。
その後ろには、男テニのレギュラーの皆。おうおう君ら、練習はどうした。
『見てみ、ようここまでやるよな。ホンマ呆れるわ』
ウチは笑って言う、それをみんな俯いて聞いていた。
白石がふいに近付いて来て、なんやと思ったら抱きしめられた。
「無理して…笑わんでえぇ」
その一言に、ウチは滅多に人前で見せる事のない涙を流した。