結んでもいいですか? / 財前
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月日が流れていくのは本当に早くて、私はもう高校3年生になった。
この3年間の中で、好きになった人もいる。けど、告白までは踏み出せなかった。
まだ彼への気持ちが、完全には消えていなかったから。どこか小さな心の片隅だとしても、彼のことを考える自分がいた。
早くこの気持ちを消してしまい。だがその反面、どこかでまだ彼を求める気持ちがある。なんて未練がましい。
そんなある日、中学の同窓会があった。
彼は私の遠くに居て、他の男子と楽しそうに話をしていた。
中学を卒業してからは、全然喋っていない。
もちろん、話しかける勇気もない臆病者の私は、遠くから見守る。
私は、卒業式してからもこまめに連絡を取り合っていた親友と、語り合っていた。
「でさ、ナマエ」
『ん?』
「最近なんかないん?」
親友の言うコレは、決まって恋愛話。経験豊富でモテる友達が、本当に羨ましい。
今は分からないけど、何より彼に好かれていたという事実……本当に羨ましい。私にも幸せを分けて欲しいぐらいだ。
『残念ながら何もないで』
「んー…じゃあ、あれは?財前のことは?」
『う…痛いとこつくな』
親友は、私の恋愛事情を細かく知っている。私が財前をまだ引きずっている事も。全部。
『財前は…たまに見かけたら、やっぱり格好えぇなって思う。多分、財前の事は一生忘れられへんかも』
そう親友に言うと、苦笑いしながら私を見ていた。
いや違う、私の後ろを見ていた。
振り向けば、さっきまで遠い所にいた財前がジュースを取りに来たのか、私の後ろにいた。しかも、少し驚いた表情をしている。
もしかして聞かれてた…!?
その場に居たたまれなくなった私は、無我夢中でお店の外に出た。