着々と、確実に / 財前
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部活の無い日は、大体ミョウジと甘味処で過ごすようになった。
あの条件と、お互い善哉好きっちゅーことで余計に。
「なぁ」
『ん?』
「何で洲藤のこと、好きになったん?」
接点ないし、あんまり喋らんとか言うとったし。
どういう事があってミョウジは洲藤に惚れたんか、それが純粋に聞きたかった。
『あれはなぁ…』
・
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中学校の入学式の日。
新しいことが一杯で、テンパっていた私は盛大に人とぶつかり、ずっこけた。
『っ…!』
「だっさー」
周りからクスクスと笑い声も聞こえて、おまけにコンタクトも落として泣きそうな時やった。
「大丈夫か?」
私に唯一声をかけてくれたのが、洲藤くんやった。
洲藤くんは周りの目なんてお構いなしに、一緒にコンタクトも探してくれた。
「あ、あった!」
ほら、と言ってコンタクトを差し出してくれた洲藤くんの笑顔に見事やられました。
『ってな感じ?』
「ベタな話」
『うっさいわ』
ほんまにようある漫画みたいな話やわ。
善哉を食いながら聞いたその話は、俺の心をモヤモヤさせた。
その時、俺が…
俺がミョウジの側に行っとったら、ミョウジは俺に惚れたんやろか。
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・
「あ、盛大にこけよったなアイツ」
「大丈夫か、あれ…?俺ちょっと行ってくるわ。また後でな財前!」
「あいよ」
あの時面倒臭がった俺は、洲藤に任せてその場を後にしたんや。
彼女がアイツに惚れた理由
(それを聞いた俺は、自分の気持ちに気付いた)