着々と、確実に / 財前
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「洲藤」
「お、なんや財前」
「お前好きな人おる?」
「ぶはっ!言うとくけど、俺はそっちの気はないで!」
「アホか。俺も無いわハゲ」
「まだフサフサや!」
と情報を聞こうとしたら、流れでかわされた。
案外面倒やな、こいつ。
「で、どうなん?」
「…うーん、まぁ気になっとる人はおる…かな」
「ふーん」
そう言った洲藤の視線は一瞬、どこかを向きかけたが慌てて止めた。
このクラスにでもおるんちゃうんか、これ。
しかし、まともに恋愛の話なんてした事無かったから、こいつが気になっとる奴がおるなんて初めて聞いたわ。
さぁて誰かさんに報告せなな、…面倒やな。
放課後、今日は部活が無しと言う連絡が入ったのでミョウジと甘味処に行った。条件の「1日一杯善哉」を奢らすために。
「今日聞いたで、洲藤に」
『え!で、なんてなんて!』
「気になっとる奴おるんやって」
そう聞いたミョウジは黙り、あからさまに落ち込んでいた。
「しかも、同じクラスっぽいわ」
善哉を食いながら、ちらりと横を見ると、さっきのが追い討ちとなったのか、余計に顔が沈んでいた。
「まぁ、お前かもしれんやん」
その言葉を聞いたミョウジは一瞬で元気になり、『そうやね!私かもしれんね!』と言って善哉3杯頼みよった。
元気付けるとか。つくづく、お人好しか俺は。
『財前くん、善哉好きやんな?私も大好きなんや!』
そう言ったミョウジの笑顔が、頭から離れんのは何でやろ。
心の変化
(案外、面倒やなくなってきた)