おはようございます、ビリーさん!
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「アンタ、大丈夫か? 顔死んでるぞ」
スーパーでの帰り道、偶然会ったビリーさんに掛けられた言葉。会った第一声がそれで抗議の声を出したいが、それさえも億劫な程身体がダルい。
今日の朝、起きた時から調子が悪く、それでも頑張って仕事に行ったのだが…時間が経つにつれ、熱っぽくなり咳も出始めた。完全に風邪を引いてしまったようだ。
「ちょっと風邪を引いたっぽくて…」
「だろうな。家、どっちだ? 送ってってやる」
「そんな、悪いですよ」
「死にそうな顔してるくせに、一丁前に気遣うな。ほら、行くぞ」
そう言ってビリーさんは、ひょいと私の荷物とさっき買い込んだスポーツドリンクやらゼリーやらの入った袋を持ってくれた。
家までの道のりを聞きながら、私の少し前を歩くビリーさんは時折後ろを確認しながら歩いていた。ちゃんと付いてきているか見ているのだろうか。そんな姿にほんの少しだけ笑ってしまったのは、内緒だ。
やっとのことで家に着き、ほっと息をつく。ビリーさんにお礼を言って、扉を閉めた直後、ぐらりとする視界。
とりあえずベッドまで行かなくちゃ、と思ったところで意識は途切れた。
「ん……」
「起きたか」
目に入ったのは、見慣れた家の天井。いつもの風景。
でも、ここでは聞こえないはずの声。声の聞こえた方に顔をやると、そこにはビリーさんが居た。
「ビ、ビリーさん!?」
驚いて思わず飛び起きそうになったのを、ビリーさんが制す。
「寝とけ。まだあんま顔色良くないぞ」
「す、すみません…」
「いや、俺も勝手に家に上がらせてもらってる。…悪いな」
どうやらあの後、帰ろうとしたが不自然な物音に気付いて、声を掛けてくれたらしい。でもいつまで経っても返事がなく、家の扉を開けると私が倒れていたらしい。救急車を呼ぼうとしたけれど、ぐっすりと寝息を立てていたみたいで、とりあえずベッドまで運んでくれたそうだ。
「女1人住んでる部屋に、許可なく入るのもどうかと思ったんだけどよ…」
と罰が悪そうに話すビリーさん。改めて、お礼と謝罪をすると、肩の荷が下りたように少しだけ笑った。
じゃあ帰るわ、と腰を上げるビリーさんの手を思わず掴む。どうした、といつもより優しい声色に身体が熱くなる。
「ず、ずっと、聞いてみたかったんです」
今なら聞けるチャンスかもしれない。ずっと、ずっと聞きたかったこと。でも怖くて聞けなかったこと。
風邪のせいで、ビリーさんのせいで上手く回らない頭。そればかりが脳を占める。
「…あの、道場でよく見かける女性は、ビリーさんの彼女、だったりしますか?」
「あ? …あぁ、お嬢のことか?彼女じゃねぇけど…」
未だに聞き慣れない、お嬢という言葉。それについても恐る恐る聞いてみると、色々あって恩人なんだと答えてくれた。2人には私の知らない何かがあるのだろう。それでも今は、「彼女ではない」その言葉に少し心が軽くなった気がした。
「そっか、良かった…」
安心したのか身体の力が抜け、襲ってくる眠気。
「ほら、まだ眠いんだろ。寝とけ」
丁寧に掛け直された布団。またお礼を言うと優しく頭を撫でてくれた。その心地良さに身を任せて、目を閉じた。
スーパーでの帰り道、偶然会ったビリーさんに掛けられた言葉。会った第一声がそれで抗議の声を出したいが、それさえも億劫な程身体がダルい。
今日の朝、起きた時から調子が悪く、それでも頑張って仕事に行ったのだが…時間が経つにつれ、熱っぽくなり咳も出始めた。完全に風邪を引いてしまったようだ。
「ちょっと風邪を引いたっぽくて…」
「だろうな。家、どっちだ? 送ってってやる」
「そんな、悪いですよ」
「死にそうな顔してるくせに、一丁前に気遣うな。ほら、行くぞ」
そう言ってビリーさんは、ひょいと私の荷物とさっき買い込んだスポーツドリンクやらゼリーやらの入った袋を持ってくれた。
家までの道のりを聞きながら、私の少し前を歩くビリーさんは時折後ろを確認しながら歩いていた。ちゃんと付いてきているか見ているのだろうか。そんな姿にほんの少しだけ笑ってしまったのは、内緒だ。
やっとのことで家に着き、ほっと息をつく。ビリーさんにお礼を言って、扉を閉めた直後、ぐらりとする視界。
とりあえずベッドまで行かなくちゃ、と思ったところで意識は途切れた。
「ん……」
「起きたか」
目に入ったのは、見慣れた家の天井。いつもの風景。
でも、ここでは聞こえないはずの声。声の聞こえた方に顔をやると、そこにはビリーさんが居た。
「ビ、ビリーさん!?」
驚いて思わず飛び起きそうになったのを、ビリーさんが制す。
「寝とけ。まだあんま顔色良くないぞ」
「す、すみません…」
「いや、俺も勝手に家に上がらせてもらってる。…悪いな」
どうやらあの後、帰ろうとしたが不自然な物音に気付いて、声を掛けてくれたらしい。でもいつまで経っても返事がなく、家の扉を開けると私が倒れていたらしい。救急車を呼ぼうとしたけれど、ぐっすりと寝息を立てていたみたいで、とりあえずベッドまで運んでくれたそうだ。
「女1人住んでる部屋に、許可なく入るのもどうかと思ったんだけどよ…」
と罰が悪そうに話すビリーさん。改めて、お礼と謝罪をすると、肩の荷が下りたように少しだけ笑った。
じゃあ帰るわ、と腰を上げるビリーさんの手を思わず掴む。どうした、といつもより優しい声色に身体が熱くなる。
「ず、ずっと、聞いてみたかったんです」
今なら聞けるチャンスかもしれない。ずっと、ずっと聞きたかったこと。でも怖くて聞けなかったこと。
風邪のせいで、ビリーさんのせいで上手く回らない頭。そればかりが脳を占める。
「…あの、道場でよく見かける女性は、ビリーさんの彼女、だったりしますか?」
「あ? …あぁ、お嬢のことか?彼女じゃねぇけど…」
未だに聞き慣れない、お嬢という言葉。それについても恐る恐る聞いてみると、色々あって恩人なんだと答えてくれた。2人には私の知らない何かがあるのだろう。それでも今は、「彼女ではない」その言葉に少し心が軽くなった気がした。
「そっか、良かった…」
安心したのか身体の力が抜け、襲ってくる眠気。
「ほら、まだ眠いんだろ。寝とけ」
丁寧に掛け直された布団。またお礼を言うと優しく頭を撫でてくれた。その心地良さに身を任せて、目を閉じた。