お互いに想いを確かめ合った後、どちらともなく繋いだ手。そのまま、ぎゅっと握られた手に笑みが溢れた。
それを見られていたらしく、フッとビリーさんに優しく笑われた。

「か、帰りましょう！」

赤くなっているであろう顔を隠すように、ビリーさんの手を引っ張りながら、私は歩き出した。

家まであと少しというところで、ピロンとスマホが鳴る。差出人を確認すれば、先程変な別れ方をしてしまった同期からだった。心配をしてくれているようなメッセージが入っていた。
怪訝そうな顔で見てくるビリーさんに、先程の同期からだと説明すると、少し眉をひそめた。

「あ、あの、さっきの同期からです。ビリーさんに連れられて、あれよあれよと言う内に別れてしまったので、心配してくれてたみたいで…」

そう言うと、さらに眉間のシワが深くなった。ちゃんと説明しようとしたのだが、仇になってしまった。同期の名前を出したのが悪かったのだろうか。

同期は心配してくれているのだ。とりあえず簡単に返事をしてしまおうと操作を始めた矢先、画面を手で隠された。

何だろう、とビリーさんの方に顔を上げると同時に唇に触れる熱。

「…んなの、後でいいだろ」
「は、はい…」

拗ねるような顔をしているビリーさん。もしかして、これは…嫉妬、してくれているのだろうか。

なんだかビリーさんの気持ちを再確認出来たような気がして、先程と同じように笑みが溢れてしまった。それをまた見られていたらしく、今度は少し小突かれてしまった。でも、それも嬉しくて。

今だけは、アナタと２人の世界を。