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ゆらゆらとゆれている。
目の前のソレは白いもやを纏い、顔も判別出来ない。口が開いているのが分かるが、声は聞こえてこない。
でも、頭が体がアイツだと言っている。それなのに、その姿が鮮明に出て来ない。
思い出せない事がなんだか悔しくて、寂しくて、その姿に手を伸ばそうとした途端、ふと目が覚めた。
「あ、起こしちゃいましたか…?すみません」
声のする方へ顔を向ける。待ち焦がれた姿に思わず彼女の手を引いて、腕の中に閉じ込めた。
夢の中では長い間、それこそ思い出せなくなる程に会えていない様だった。
目蓋の裏の出来事だ。そうは分かっていても、こうして現実で近くにいる彼女に少し安堵した。
彼女の髪に、頬に、口に手を寄せる。徐々に赤みを帯びていく頬と抗議の声に、誰が忘れてやるもんかと心の中でひとつ笑みをこぼした。