おはようございます、ビリーさん!
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日用品の買い出しにとドラッグストアへ訪れた日、洗濯剤のコーナー前で腕を組んで真剣な表情をしている人を見かけた。ビリーさんだ。
「ビリーさん、こんにちは」
「おう、アンタか」
「そんなに洗濯剤を見て…どうかしたんですか?」
「新しい洗濯剤を試してみてぇんだけどよ、どれが良いか…」
「私もあまり詳しくはないのですが…これなんか良いって聞いたことありますよ」
うーん、と唸るビリーさんに人気の洗濯剤を手に取って見せる。
「なんか見たことあんな。でも使ったことなかったか…これにしてみるか」
そう言った彼はサンキューと言いながら、私の手から洗濯剤を取った。
ふと、男性がこんなに洗濯剤で悩むのは珍しいのではないかと疑問に思う。
「…洗濯剤好きなんですか?」
「あー、洗濯剤っていうより、洗濯がよ」
「へーそうなんですね!意外です」
「そうか?」
「なんかこう…ビリヤードとか嗜んでそうな気がしました」
見た目で判断するのは良くないのだが、ビリヤードとかダーツとか、落ち着いた大人の遊びというか…そういうものが好きそうだと思っていた。日常的に行うものを好きというのはとても意外だった。
「なんだそれ」
ハッと笑う彼にドキリと胸が高鳴る。と同時に、彼の名前を呼ぶ声がした。サイドアップの髪で、結ばれているリボンが特徴的な女性だ。この方も少し前から道場で見かける人だ。
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
ぺこりと挨拶をされ、私も同じように返す。
「お話し中、すみません」
「いえ!」
「お嬢、探してたやつあったのか?」
「ありました!」
「俺もこれに決めた。会計するか?」
「はい、これで大丈夫だと思います」
じゃあ、またなと言って片手を上げて去っていくビリーさん。隣の女性もまたぺこりと一礼して一緒に去って行った。
お嬢と呼ばれた彼女が何者なのか気になったが、それよりも並んで歩くその2人の後ろ姿を見て、なんだか胸がモヤモヤした。
あの隣が、ビリーさんの隣で笑っているあの女性が私であれば。そう考えた途端、カッと顔が熱くなった。
私、ビリーさんのこと…。