おはようございます、ビリーさん!
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
赤いバンダナの彼が定期を拾ってくれた次の日。
お礼に何が良いか分からなかったので、当たり障りのないお菓子の詰め合わせを持って、少し早めに家を出る。
いつもより少し時間が早いので、道場の前にいるか不安だったけれど、相変わらず掃除をしている様子を見掛けて、ホッとする。
「おはようございます!」
「おう、おはよ…って、今日はちょっと早いか?」
「お礼をと思って…昨日は本当にありがとうございました。これ良かったら…」
「いいって言ったのに、本当に持って来たのかよ」
「すみません、お礼しないと私の気が済まなくて…」
「ハァ…しゃあねぇな」
渋々といった感じだけれど、なんとかお礼を受け取ってもらえた。落とし物を拾ってもらって、しかもそれがご近所さんともなると、お礼をしない訳にはいかなかった。
「たくさんあると思いますので、道場の皆さんと食べてください」
「…ありがとよ」
「いえ、こちらこそ!」
それでは、と一礼して背を向ける。
「おう、行ってらっしゃい」
後ろから聞こえたその声に振り返る。行ってらっしゃい、と言われたのは初めてだった。
なんだか気恥ずかしくて、でも嬉しくて「行ってきます!」と彼に手を振った。