忍足 謙也
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
▼マネージャーヒロイン
『なん…これ』
放課後、居残りさせられていつもより部活に行く時間が遅なってもたから、急いで下駄箱に差し掛かった時やった。
外靴に履き替えようと、靴に触れた瞬間 “クシャ”なんて音がした。
恐る恐る手に取って見てみたら、四つ折りに畳まれたノートの切れ端で、中には「好きです」の一言。
今まで告白された事ない自分には、これが本間に自分宛てなんか、誰かと下駄箱間違えたのでは、とか色々考えてしもて素直に受け取る事が出来なかった。
だからと言って他の所に入れても、結局同じことになるかなと思って、紙を畳みそっとポケットの中に入れ、ひとまず部活に向かった。
『遅なってごめん!』
「ゆっくりでえぇよー」
『ありがとう!』
急いで支度をしようとしたら、白石が優しい言葉をかけてくれた。
それでもやはり申し訳ないので、そのまま走って行こうとしたら、白石に呼び止められた。
「あ、ミョウジ。悪いんやけど謙也にこれ渡しといて。今、手離されへんねん」
『分かった、謙也どこにおるん?』
「今…水飲み場ちゃうかな」
『オッケー』
白石から預かった資料を持って、水飲み場に向かった。
謙也は水飲み場やなくて、その近くの木陰にいた。
『謙也~』
「うわぁあ!」
『なんやねん、そんな驚くなや』
「す、すす、すまん」
『はいこれ。白石が謙也にって』
「お、おぉ。す、すまんな」
『………』
「な、なんや、そんな見んなや!」
『ん~なんか怪しい!何かあった?』
いつもと違う様子に心配して聞いてみれば、目を見開いて鳩が豆鉄砲喰らったような顔しとる。
「……は?見てないんか?」
『何を?』
「ハァアアア……」
『なんやねん!その長いため息は!』
「…ほ、ほんまに見てないん?」
『だから何がやねん』
「ま、また腹くくるしかないんか…」
『え?なんて?』
「だぁああ!あれや、あれ!下駄箱の!」
『下駄箱…?』
下駄箱と言えど特に思い付くこともないが、今日に限ってはついさっき起きた出来事が頭の隅でちらついた。
『もしかして…あのラブレター、謙也が書いたん?』
「そ、そそそうや!」
『はい』
「え?」
『ちゃんと間違えんと入れなよ~。私んとこ入っとったで』
「………ちゃう」
はい、と差し出したラブレターを謙也はじっと見て、小さく何かを呟けば真剣な顔をこっちに向けた。
「お前宛てや、その手紙」
『…え?』
「だ、だからお前宛てやっちゅーねん!」
真っ赤になりながらそっぽを向いてそう叫ぶ謙也に、あのラブレターはホンマに私宛てやったんや、と自覚した途端恥ずかしくなってきた。
木陰にいる真っ赤な顔の二人の近くに、季節外れの春のようなそよ風がかすかに吹いた。
一言ラブレター
『あ、あ宛名ないから分からんやんけ!』
「おお、お俺かて、入れた後にミスった思たわ!」
『さ、さいですか!』
「お、おぅ!そうやそうや!」
「何しとんねん、お前ら…」