財前 光
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放課後。
友達が用事で残るっていうから、部活も無いし暇潰しも兼ね、友達の用事が終わるまで待つことにした。
宿題をしたり、携帯を弄ってみたり、物思いにふけってみたり。
どこかのクラスにはまだ誰か残っているのか、かすかに笑い声が聞こえてくる。
そんな私しかいない教室に、急にドアをノックする音が響いた。
予想外の音に心臓は跳び跳ね、顔は自然と音のする方へと向いた。
「…どーも」
そう言った彼は、教室に入って来て私の前の席に座った。
『えっと…、どうしたん?財前君?』
財前君。私が最近気になり始めた子。
同じクラスで同じテニス部でも、喋る事はほとんど無い。
それでも、私は財前君が気になり始めて仕方なかった。
無意識に目で追ってしまったり、多分好きなんやろな、って。
「別に、ただミョウジさんの姿が見えたから」
『そ、そう』
なんで私の姿を見たから教室に来たのか、気になって聞こうにも目の前の財前君は携帯を取りだして弄り出す。
教室に二人きりなのは嬉しいけど、この沈黙は心に刺さる。
どうしたものかと悩んでいると急に「ん、」と言って、財前君は携帯を差し出してきた。
『え?』
「メルアド、交換しよ」
『う、うん!』
慌てて携帯を取り出せば「そんな慌てんでも」と優しく笑った財前君に赤面してしまって、その後の会話も財前君の顔をまっすぐと見ることは出来なかった。
放課後、誰もいない教室
(その中で、1人残るのも悪くない)
(だって君とこんなに話したのは、初めてだったから)
「ほな、また明日」
『う、うん!』
「…顔、真っ赤やで」
『え!?』
「なーんも。あ、またメール送るから」
『ま、待ってます!』
「(その笑顔は反則やな)」