財前 光
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「ミョウジ、さっき先生なんて言うた?」
『あー、私も聞いてへんかった』
「役立たずやなぁ」
『ちょ、言うてくれるねー』
こんなに喋るようになったは、いつからだろうか。
偶然、席が前後になったのがきっかけだった。
人見知りの私に、財前は何回か喋りかけてくれて(ただの用事でだけど)、それでも私は少しずつ心を開いていき、今みたいな会話するぐらいまで仲良くなった。
それ以上に、私は財前を好きになった。
『はい』
「ん」
プリントを配る手さえいつも震える始末で、少しでも手が触れれば意識してしまって、顔が赤くなるのが自分でも分かる。
「手、冷た」
『こ、心が温かいんや』
「はっ、ぬかせ」
バカにしたような言い方をされ、どう返そうかと考えた瞬間、休憩時間を知らせるチャイムが鳴り響いた。
それと同時に、財前は後ろからカイロを投げてきた。
『これ…』
「あー、寒いわぁ」
『ほな、自分が使えばえぇやん』
「人の厚意は、素直に受け取るもんやで」
財前は、そう言って教室を出ていった。
私は手に収まるほどの小さなカイロで、温もりと財前の優しさを噛み締めていた。
きっかけと温もりと
(すべて、貴方に関わるもの)
『はい、カイロありがと』
「どーいたしまして。つか、カイロやるわ」
『え、いや、財前困るやろ』
「俺は心も温かいし、手も温かいねん」
『…さいですか。でもやな、』
「人の厚意は?」
『…素直に受け取るものです。…ありがと』