財前 光
▼ Name change!
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『ひ、光うぅぅ』
「もう泣くなや」
今日は3年生の卒業式。
2年間、テニス部のマネージャーを務めた私には、お世話になった大先輩達が卒業する日だ。
泣きじゃくってる私に、隣に居る光は珍しく慰めてくれている。
多分、光も寂しさを感じているんだろう。
『で、でもっ。うぅ~』
「お前、そんな先輩と別れんの 嫌なんか?」
『え…?』
突如、私の視界がぐにゃりと歪んだ。
泣きすぎたせいか頭痛がする。
「ナマエ!ナマエ!…………」
光が必死に私の名前を呼んでいるのを最後に、私は意識を手放した。
・
・
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「起きたか?」
目を開けると白い天井と白いベッド、少しの薬品の匂い。
声のした方をゆっくりと見た。
『し、白石…部長…?』
「蔵リンだけじゃないわよ!」
見渡せば、白石部長だけでなくテニス部のみんな勢揃いで来てくれていた。
…いや“勢揃い“は少し違う。光がいない。
『ところで、皆さん……卒業式は?』
「終わったで」
『そんな、あの、その、貴重な時間を…!』
起きようとしたところを白石部長に止められた。
「まだ ゆっくりしとき」
『でも……!』
「後は、ナマエのナイトがおってくれるさかい」
「ホンマ先輩ら、はよ帰って下さいよ」
入り口から、光がそう言いながら入ってきた。
「はいはい、お大事になナマエ」
『あ、はい!ありがとうございました!』
先輩方は一人一人、私に声をかけてくれた。
私もそれに答えて一人一人に返事をした。
「やっと行ったわ」
『あの…ごめんね、式の途中で倒れて迷惑かけて……』
「ほんま迷惑やわ」
『う』
機嫌が悪いのか、いつも以上に言葉にトゲがある気がする。
「…俺がどんだけ心配した思てんねん」
『…え?』
そういえば意識が飛ぶ前、光が私の名前を叫んでた気が。
『そういや光…倒れる前、私の名前呼んだ…?』
「呼んでへん」
言葉とは裏腹に光の顔は少し赤い。
『…心配してくれてありがとう』
「アホ。呼んでへんっちゅ―に。
あ、せや俺、ナマエのこと好きやから」
終わりの始まり
『そんな、ついでみたいな』
「お前なんかに言うんはついででえんや。で、返事は?」
『なんや、気にくわんけど……わ、私も好きです』
「やっとくっついたばいね、あの二人」
「ほんま、長かったわぁ。ま、俺らが卒業するまでにくっついて良かったやん」
「もうしとるやんっ!」
「……先輩ら、しばき倒しますよ…?」
「「財前………!」」