二人暮らし(dr/臨也)
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「……うーん」
俺はまた寝返りを打つ。これで何度目だろうか。
それでもまだ空いたままの隣を見て、サイドテーブルに置いてある携帯の電源を点けて時間を確認した。
「……1時か」
12時にはベッドに入った筈だから、もう1時間も眠れていないということか。
少し眠れなかったら諦めろとどこかで聞いたことがある。
だから観念して、とりあえずベッドから起き上がり、寝室から出た。
「澪士? どうしたの。トイレ?」
「……ねれない」
リビングへ行くと、臨也はソファに座ってノートパソコンを開いていた。またいつものようにチャットでもしているのだろうか。
「寝れない? 何で? 怖い夢でも見た?」
「いや、そうじゃないけど……何となく」
「分かった、俺もすぐ行くから、もう少しだけ待ってて」
そう言いながらパソコンから目を離して、臨也はちゃんと俺の方を見てくれる。
普段なんか何にも興味なさそうで、且つ何にでも首を突っ込みたがる性分で、だけど今この時だけは俺のことだけを意識してくれているのだと嬉しくなった。
「うん」
答えると俺はトイレに行ってから再びベッドに戻る。
でも、臨也が共にベッドに入ってくれた程度で眠れるようになるのだろうか? 睡眠というのは、自律神経に左右されると聞く。
交感神経と副交感神経というものがあって、副交感神経――休息などを司るらしい――が優位にある時に眠りやすいのだとか。
で、この副交感神経がどのような時に働くのかと言えば、リラックスしている時によく働いてくれるらしいのだが。
「……でも、臨也が隣に居て、リラックスできるなんてことあるのか?」
ストレスない方が眠りやすいとか、落ち着いた時の方が眠りやすいなんていうのは、この副交感神経のことだ。つまり今の俺の状態だと交感神経の方が優位だということ。
だけれども、怖い夢を見たのならともかく、ただ自律神経の乱れのせいで眠れない場合、臨也に一緒に居てもらうことが何の解決策にもならない可能性が高い。
そんなことを悶々と考えているとますます眠れなくなり、間もなく寝室のドアも開いた。
「寝れない? 澪士」
「んー。なんか目が冴えちゃって」
「そう」
でも明日仕事でしょ、と聞かれ、そうだけど、と答える。
「早く寝ないとね」
そうは言うものの、それが簡単に出来れば苦労はしていない。いつもは普通に出来ていることの筈なのだが。
臨也は寝転がっている俺の隣に入ってきて、俺をぎゅっと抱き寄せた。
「大丈夫、じきに眠れるよ」
「……いや多分、この状態だと、交感神経が優位になる気がするんだけど」
「大丈夫」
その優しい、甘い声は恋人の俺ですら滅多に聞けないものだ。
何だか久しぶりに聞いた気がして、甘えたくなった。
「ねえ、臨也」
「なに?」
「おやすみのキス、して」
自分からねだることなんてあまりないのだが、今日は甘やかしてくれそうな気配があったから、ついそんなことを口走ってしまう。
「はいはい」
臨也は真剣な目で、でも優しい表情で見つめてくる。
至近距離から距離はゼロになって、また少し離れた。
「おやすみ、澪士」
「……おやすみ、臨也」
何だか眠くなってきた。不思議だ、臨也がきてまだすぐなのに。
俺はその欲望に従うまま、腕の中で目を閉じた。
俺はまた寝返りを打つ。これで何度目だろうか。
それでもまだ空いたままの隣を見て、サイドテーブルに置いてある携帯の電源を点けて時間を確認した。
「……1時か」
12時にはベッドに入った筈だから、もう1時間も眠れていないということか。
少し眠れなかったら諦めろとどこかで聞いたことがある。
だから観念して、とりあえずベッドから起き上がり、寝室から出た。
「澪士? どうしたの。トイレ?」
「……ねれない」
リビングへ行くと、臨也はソファに座ってノートパソコンを開いていた。またいつものようにチャットでもしているのだろうか。
「寝れない? 何で? 怖い夢でも見た?」
「いや、そうじゃないけど……何となく」
「分かった、俺もすぐ行くから、もう少しだけ待ってて」
そう言いながらパソコンから目を離して、臨也はちゃんと俺の方を見てくれる。
普段なんか何にも興味なさそうで、且つ何にでも首を突っ込みたがる性分で、だけど今この時だけは俺のことだけを意識してくれているのだと嬉しくなった。
「うん」
答えると俺はトイレに行ってから再びベッドに戻る。
でも、臨也が共にベッドに入ってくれた程度で眠れるようになるのだろうか? 睡眠というのは、自律神経に左右されると聞く。
交感神経と副交感神経というものがあって、副交感神経――休息などを司るらしい――が優位にある時に眠りやすいのだとか。
で、この副交感神経がどのような時に働くのかと言えば、リラックスしている時によく働いてくれるらしいのだが。
「……でも、臨也が隣に居て、リラックスできるなんてことあるのか?」
ストレスない方が眠りやすいとか、落ち着いた時の方が眠りやすいなんていうのは、この副交感神経のことだ。つまり今の俺の状態だと交感神経の方が優位だということ。
だけれども、怖い夢を見たのならともかく、ただ自律神経の乱れのせいで眠れない場合、臨也に一緒に居てもらうことが何の解決策にもならない可能性が高い。
そんなことを悶々と考えているとますます眠れなくなり、間もなく寝室のドアも開いた。
「寝れない? 澪士」
「んー。なんか目が冴えちゃって」
「そう」
でも明日仕事でしょ、と聞かれ、そうだけど、と答える。
「早く寝ないとね」
そうは言うものの、それが簡単に出来れば苦労はしていない。いつもは普通に出来ていることの筈なのだが。
臨也は寝転がっている俺の隣に入ってきて、俺をぎゅっと抱き寄せた。
「大丈夫、じきに眠れるよ」
「……いや多分、この状態だと、交感神経が優位になる気がするんだけど」
「大丈夫」
その優しい、甘い声は恋人の俺ですら滅多に聞けないものだ。
何だか久しぶりに聞いた気がして、甘えたくなった。
「ねえ、臨也」
「なに?」
「おやすみのキス、して」
自分からねだることなんてあまりないのだが、今日は甘やかしてくれそうな気配があったから、ついそんなことを口走ってしまう。
「はいはい」
臨也は真剣な目で、でも優しい表情で見つめてくる。
至近距離から距離はゼロになって、また少し離れた。
「おやすみ、澪士」
「……おやすみ、臨也」
何だか眠くなってきた。不思議だ、臨也がきてまだすぐなのに。
俺はその欲望に従うまま、腕の中で目を閉じた。