二人暮らし(dr/臨也)
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チチ、と陽の光を遮って飛ぶ小鳥を眺める。
「ねえ、臨也。花見行かない?」
「花見?」
「うん」
今日はいい天気だ。珍しく2人とも早起きした。
リビングの窓から外を覗くと、少し遠くにピンク色の塊が見える。
春だな、とその陽気を感じた。
「新宿御苑。桜、咲いてるでしょ?」
俺たちが住むのは新宿。駅からは少し歩く。閑静な住宅街とはいかないけど。
新宿御苑だって歩いて行けてしまう距離なのだ。今日は日曜日だから、多分人が沢山いると思うけど。
「いいよ」
合意してからは早かった。俺は手早くおにぎりを握り、唐揚げと卵焼きを大きな弁当箱に詰める。臨也はビニールシートやウエットティッシュを家のどこかから探し出してきてくれた。
大きな荷物は臨也が全て持ち、俺たちは共にマンションを出る。
やはりこんな明るい外で手を繋ぐのは躊躇うが、それ程遠くない距離にその熱を感じる、その距離感が心地いい。
「そういえばさ、臨也。さっき花の風を見たよ」
「花の風?」
「そう」
春の柔らかい風に煽られる桜の花弁。いつかは地に堕ちる運命だとしても、桃色のそれらが運ばれていくのを目で追うのをやめられない。
「一緒に見れたらいいなって思って」
春は思うより短い。こうして能動的に楽しまなければ、気づくと梅雨に入り、夏になってしまうだろう。
臨也は仕事と称して外に出ているか、俺と共に居ればパソコンを弄っているかの大概どちらかなので、俺から積極的に誘わなければ外でデートすることも叶わないのだ。
だから今日は、いうなれば"特別"だ。
「うん、そうだね」
こういうことをしていると、日々を大切に積み重ねているような気になる。
たまにはこういうことも悪くない、と言わせるのは成功だろう。
「ねえ、臨也。花見行かない?」
「花見?」
「うん」
今日はいい天気だ。珍しく2人とも早起きした。
リビングの窓から外を覗くと、少し遠くにピンク色の塊が見える。
春だな、とその陽気を感じた。
「新宿御苑。桜、咲いてるでしょ?」
俺たちが住むのは新宿。駅からは少し歩く。閑静な住宅街とはいかないけど。
新宿御苑だって歩いて行けてしまう距離なのだ。今日は日曜日だから、多分人が沢山いると思うけど。
「いいよ」
合意してからは早かった。俺は手早くおにぎりを握り、唐揚げと卵焼きを大きな弁当箱に詰める。臨也はビニールシートやウエットティッシュを家のどこかから探し出してきてくれた。
大きな荷物は臨也が全て持ち、俺たちは共にマンションを出る。
やはりこんな明るい外で手を繋ぐのは躊躇うが、それ程遠くない距離にその熱を感じる、その距離感が心地いい。
「そういえばさ、臨也。さっき花の風を見たよ」
「花の風?」
「そう」
春の柔らかい風に煽られる桜の花弁。いつかは地に堕ちる運命だとしても、桃色のそれらが運ばれていくのを目で追うのをやめられない。
「一緒に見れたらいいなって思って」
春は思うより短い。こうして能動的に楽しまなければ、気づくと梅雨に入り、夏になってしまうだろう。
臨也は仕事と称して外に出ているか、俺と共に居ればパソコンを弄っているかの大概どちらかなので、俺から積極的に誘わなければ外でデートすることも叶わないのだ。
だから今日は、いうなれば"特別"だ。
「うん、そうだね」
こういうことをしていると、日々を大切に積み重ねているような気になる。
たまにはこういうことも悪くない、と言わせるのは成功だろう。