黄金を求めし者(神トラ2/ラヴィオ)
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ラヴィオは駆ける。久々に舞い戻ってきたロウラルの世界。
どうか手遅れでなければいいが、と願いながら、王の間に飛び込んだ。
「レイシ王子っ!」
だがそこにいたのは、ユガと勇者リンクだけ。
『おや、ラヴィオ、漸く来たのですね』
「まさか、ユガ……」
ゼルダ姫の絵、ユガ、そして勇者。
もう遅かった。レイシは絵にされ、恐らく、ユガに取り込まれたのだ。
『これで、2つ手に入れました。残るはその1つ……』
そう言い、ユガはリンクの攻撃をよそに、壁の中に入った。リンクは壁の中では戦えないので、手詰まりである。
ラヴィオも絶望する。しかし思い返した。
リンクは恐らく、七賢者を何らかの方法で解放してきている。それならば、ユガを倒せば、また王子は解放できるのではないか?
「勇者クン、これを!」
絶対的に不利な立場に置かれていたリンクに、ラヴィオは弓矢を差し出す。それは、以前トライフォースの力に触れていた、特別な弓矢。
更に絵画の中のゼルダ姫の力も加わり、弓矢には光が宿る。
『壁画の中のユガには、これしか効きません。リンク、頼みましたよ……』
「勇者クン、」
ゼルダの言葉に重ね、ラヴィオも言う。
「どうか……レイシ王子を、助けてあげてください。僕は勇者になれません」
ラヴィオは願うことしかできない。非力な自分。そうだ。
ハイラルのリンクと、ロウラルのラヴィオ。似て非なる者。
自分は、勇者の素質はない。
「勇者クン……お願いします!」
ラヴィオはそう言い、激戦をきわめるであろう王の間を、一旦離れた。
闇の中、僕はぼんやりと覚醒する。
(ここは……?)
自分が何者なのかも、思い出すのに苦労した。
この闇は、心地よいような、それでも何か大切なことを忘れているような。
そんな気持ちになったが、思考をやめてしまえと、闇が言っている。
『全テ忘レテ、私ノモノニナッテシマエ』
脳に直接響く声。不快だが、抵抗する術もない。
嗚呼、どうして僕はここにいるんだっけ? どうしてここに、たゆたっているのか。
『ズット、一ツニナリタイト思ッテイタノデスヨ』
聞き覚えのある声だ。しかし、誰だか思い出せない。
(僕は……)
『他ノ者ノ許ヘ行カナイヨウニ、傷ヲ付ケテ、ズット私ノ目ノ届ク所ニ、閉ジ込メテオキタカッタノダ』
(……君は、誰?)
ああ、でも、頭が重い。もう、何も考えたくない。
『深ク愛シテアゲマショウ。誰ニモ与エラレタコトノナイヨウナ、甘美ナ世界ヲ教エテアゲヨウ』
(甘美な……)
目を開けても閉じても、闇だから。
僕は目を閉じた。そして、闇に身を委ねようと思った。
『ソウ……ソレデイイノデス。何モ考エルコトハアリマセン。怖イコトハ、何モアリマセン』
ゆっくりと何かが体内に入ってくる感触がした、その時。
「……王子! レイシ王子!」
誰かの声が聞こえた。
そして、闇が弾けた。
どうか手遅れでなければいいが、と願いながら、王の間に飛び込んだ。
「レイシ王子っ!」
だがそこにいたのは、ユガと勇者リンクだけ。
『おや、ラヴィオ、漸く来たのですね』
「まさか、ユガ……」
ゼルダ姫の絵、ユガ、そして勇者。
もう遅かった。レイシは絵にされ、恐らく、ユガに取り込まれたのだ。
『これで、2つ手に入れました。残るはその1つ……』
そう言い、ユガはリンクの攻撃をよそに、壁の中に入った。リンクは壁の中では戦えないので、手詰まりである。
ラヴィオも絶望する。しかし思い返した。
リンクは恐らく、七賢者を何らかの方法で解放してきている。それならば、ユガを倒せば、また王子は解放できるのではないか?
「勇者クン、これを!」
絶対的に不利な立場に置かれていたリンクに、ラヴィオは弓矢を差し出す。それは、以前トライフォースの力に触れていた、特別な弓矢。
更に絵画の中のゼルダ姫の力も加わり、弓矢には光が宿る。
『壁画の中のユガには、これしか効きません。リンク、頼みましたよ……』
「勇者クン、」
ゼルダの言葉に重ね、ラヴィオも言う。
「どうか……レイシ王子を、助けてあげてください。僕は勇者になれません」
ラヴィオは願うことしかできない。非力な自分。そうだ。
ハイラルのリンクと、ロウラルのラヴィオ。似て非なる者。
自分は、勇者の素質はない。
「勇者クン……お願いします!」
ラヴィオはそう言い、激戦をきわめるであろう王の間を、一旦離れた。
闇の中、僕はぼんやりと覚醒する。
(ここは……?)
自分が何者なのかも、思い出すのに苦労した。
この闇は、心地よいような、それでも何か大切なことを忘れているような。
そんな気持ちになったが、思考をやめてしまえと、闇が言っている。
『全テ忘レテ、私ノモノニナッテシマエ』
脳に直接響く声。不快だが、抵抗する術もない。
嗚呼、どうして僕はここにいるんだっけ? どうしてここに、たゆたっているのか。
『ズット、一ツニナリタイト思ッテイタノデスヨ』
聞き覚えのある声だ。しかし、誰だか思い出せない。
(僕は……)
『他ノ者ノ許ヘ行カナイヨウニ、傷ヲ付ケテ、ズット私ノ目ノ届ク所ニ、閉ジ込メテオキタカッタノダ』
(……君は、誰?)
ああ、でも、頭が重い。もう、何も考えたくない。
『深ク愛シテアゲマショウ。誰ニモ与エラレタコトノナイヨウナ、甘美ナ世界ヲ教エテアゲヨウ』
(甘美な……)
目を開けても閉じても、闇だから。
僕は目を閉じた。そして、闇に身を委ねようと思った。
『ソウ……ソレデイイノデス。何モ考エルコトハアリマセン。怖イコトハ、何モアリマセン』
ゆっくりと何かが体内に入ってくる感触がした、その時。
「……王子! レイシ王子!」
誰かの声が聞こえた。
そして、闇が弾けた。