君が好きだ(オムニバス)
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「か、火神くん……一体……?」
眼鏡を掛けた放送委員は火神と壁に挟まれ、身動きが取れないまま、彼を見上げてくる。
火神はその瞬間に後悔した、彼は、触れてはならない人間だったと。
「……すまん。忘れてくれ」
「え? あ、あの……」
火神は壁に叩き付けた掌をぐっと握り、それ以上のことは言わず彼から離れる。
何て馬鹿なことをしたのだろう、自分は。こんなやり方、澪士を怯えさせるだけじゃないか。
そう思いながら背を向けたが、火神のことを声が追ってきた。
「火神くん!」
普段おとなしい彼が上げる大声。
それが珍しくて、驚いて、火神は振り返る。
「その……僕、は」
その時ふっと、なぜか突然、彼との今までのことを思い出した。まるで走馬灯のように。
同じクラスの火神と澪士。火神はバスケ部に所属しており、反面澪士は放送委員で、決してタイプが同じとは言えなかった。
それでも時を重ねる毎に性格が合ったのか、2人はよく話すようになった。
「火神くん、お疲れ様」
「澪士! こんな時間まで居たのか?」
「うん、ちょっとね」
ある日バスケ部の練習を終えた後、火神がクラスメイトの黒子と共に校門を抜けると、もう1人のクラスメイトと出会う。
「じゃ、僕はこれで」
「あ、黒子くんも居たのか。一緒に帰らないの?」
「用事を思い出しました」
そう言うと、気づかれていなかった黒子は火神と澪士を置いてさっさと帰っていく。
2人は、何故共に帰らないのだろう、まあ用事なら仕方ないか、と首を捻るが、その理由に気づいていないのは恐らくこの当人たちだけであろう。
「毎日毎日、夜遅くまで大変だね」
「澪士だってこの時間に会うこと、結構あるじゃねーか」
「あはは、家で宿題やるより、図書館でやった方がいいかなって思うこと多くて。気がついたらいっつもこんな時間なんだよね」
「げ、なんか宿題あったっけ?」
「あるよ、数学の」
ああ、と心底うんざりしたように火神は言い、肩を落とした。どうやら思い出したらしい。
「ね、火神くん」
「あ?」
「よかったらマジバ、寄ってかない?」
適当に話しながら歩いていると、気がつけばマジバの近くまでたどり着いていた。
火神は頷く。
「親は? 心配しねーのか?」
「大丈夫、勉強してから帰るって連絡はしてあるから」
そう言いながら2人はマジバに入った。
「いつものでいんだよな?」
「うん、お願いします」
火神はレジへ並ぶ。澪士は先に席を取る。
バーガー1つとオレンジジュースが澪士のいつもの注文だ。火神は既にそれを諳んじることが出来るくらい、2人は共にここを訪れていた。
一方の火神はといえばその時の腹の空き具合で好きなようにバーガーの個数を注文したいため、火神がレジに並ぶことが普通だった。
店員が聞き返すくらいの数のチーズバーガーを注文し、少しレジ横で待たされる。
(……もう、結構な回数、来てるよな)
それは澪士と共にこの店を訪れた回数のことである。
そろそろ店員に聞き返されなくても良いんじゃないか、ということではなく、澪士との関係性のことだ。勿論只のクラスメイトであり、良き友人なんだけれども。
なんだか、それだけではないような。
「お待たせいたしました」
火神は2つのトレイに分けてバーガーを席まで持っていく。するとそこには既にテキストが開かれていた。
「おい、置くぞ」
「あ、ごめん」
声を掛けると澪士は慌ててテーブルの上を片付ける。
「いつもありがとう」
「何だよ今更」
「いや今更っていうか、僕毎回お礼言ってるから」
澪士は笑う。その表情が、火神は好きだ。
「で、数学教えてくれんのか?」
「勿論そのつもりだよ」
最近、澪士は火神に勉強を教える代わり、バーガーセットを奢ってもらっている。そりゃあ火神の注文するバーガーの数からして、澪士に奢るなんていうのは大したことのない額だろう。
今回の宿題はこの範囲ね、と脇によけた数学の教科書を指す。
でも火神はその教科書なんか見ておらず、目線を下に遣る澪士の睫毛を見ていた。
「これね、二次関数。今日やったよね……って、聞いてる?」
「ん? あぁ」
「もう、別に僕が教えるのはいいけど、火神くんがちゃんとやらないと意味ないんだからねー」
そう言いながら、それでも笑う澪士が、火神にとっては愛しい。
「分かったって。3個食い終わったらやるから」
「あはは、急がなくていいよ、そんな」
とはいえ火神だってそんなに急いで食べたいわけではないのだ、それはチーズバーガーがただ美味しいからだけではなくて。
でもこれ以上は何も言えず、ひたすら飲み下した。
「火神くんが、何を考えてるのか……知りたい」
そのマジバに通った日々が2人の間の距離を縮めてくれたのだと思う。
そこまで思い出して、澪士の言葉で、火神は現実世界に引き戻された。
「澪士……」
「火神くんの考えてること、分かりそうで、分かんないんだ。僕なんかが分かることじゃないのかもしれないけど……でも知りたいって思うから」
それはとてつもなく甘美な誘いだった。その言葉を額面通りに受け取るのなら、あるいは。
そう思ったけれど火神にとって、それ以上先に踏み出すことはあまりにリスキーだった。
いや、リスキーという言葉は適切じゃないな。それは保身だ。
「……悪いな、澪士」
「火神くん……」
掛けられる言葉もなく、火神は再び背を向けて、澪士から離れた。
翌日、誠凛高校バスケ部は近隣の高校のバスケ部との練習試合を予定していた。
火神は当然集合時間には遅れずにやってきたが、その様子はどこか上の空で。
リコが叱咤しても日向が激励してもスイッチが入らない理由は、黒子だけが気がついていた。
その上で、ユニフォームに着替えている途中に、黒子は火神に近づく。
「火神くん」
「あ?」
「澪士くん来てますよ」
「はぁ?」
いつものように淡々と喋る黒子、苛立った様子の火神。
しかし黒子の言葉に火神は相当動揺したようで、視線が上がったり下がったりする。
「何があったか知らないですけど、ちゃんとやらないと嫌われますよ」
「……あのなあ」
「火神くんがどう思ってたって、澪士くんは、そんな簡単にぶれる様な人じゃない筈です」
じゃ僕は先に、と言って黒子は部屋を出ていく。いつの間にか火神はそこに1人で取り残されていた。
が、頭を殴られたようなその衝撃に、気持ちを整える時間が少しだけ欲しかったので、その静寂は有難かった。
「澪士が来てる……だって?」
この試合に? この試合を見に? 火神は混乱する。
だって昨日俺は、帰り際に、あんなこと。
「――いや、俺のやることは1つだ」
澪士が来ているか来ていないかなんて、そんなの体育館に行けば分かることだ。
火神は素早く着替え、チームメイトの待つ場所へ向かった。
「遅いぞ火神」
「すんません」
火神は適当に先輩方に謝りつつ、黒子の傍に寄る。
「悪ぃな黒子」
「火神くん、気持ちは定まりましたか?」
「ああ、大丈夫だ」
「あれです」
「あ?」
黒子は体育館の端の方を指す、そこには。
「……澪士!」
心臓が止まるような心地がした、澪士と目が合った気がした。
ばっと目を逸らすと今度はバクバクと鼓動が荒く鳴り出す。
その様子を見た黒子ははぁと溜息をついた。
「僕には関係ないですけど、試合には支障ないようにしてくださいね」
「ああ……大丈夫だ」
ああ。大丈夫。これは練習試合だが、ここで良い成績を残せないようであればインターハイを勝ち残ることなど夢のまた夢だ。
彼の存在を出来るだけ忘れるようにしよう、いや、昨日の悪い夢のような出来事を忘れるようにしよう。
そう思いながら、火神はコートへ進んだ。
試合は86対79で誠凛高校の勝利。互いの勝利を称え合い、打ち上げは後日ということで彼らは解散することになった。
いつかと同じように、火神は黒子と帰ろうと校門を潜った、その時。
「火神くん、お疲れ様」
「! 澪士……」
声を掛けられた火神はどきりとして思わず足を止める。
向こうで待っていたのはクラスメイトの澪士。先程、会場に居るのは気づいていたけれど、敢えて会話をすることを避けていた。
「じゃ、僕はこれで」
「黒子くん」
「また月曜日」
黒子はさっさと帰っていく、火神は引き止めたかったが声を掛けることができない。
夕暮れに残された影はたった2つ。
「試合、お疲れ様。見てたよ」
「あ、ああ」
「毎日あんな時間まで練習してるもんね」
核心に触れてこないようなむず痒さがある。かといって火神から触れることはできない。
「そうだ、1日会わねば千秋、って知ってる?」
「え? いや、」
火神は相変わらず顔を上げない。
「……ねえ、火神くん」
澪士は向き直って名前を呼ぶ。
思わず火神も澪士の方を見ると、その手が伸びてきて、火神の背中に回った。
「澪士」
「勝利、おめでとう!」
澪士は火神の胸板に顔を埋める、声色は気丈だがその表情は見えない。
「……ありがとう、澪士」
嗚呼こんな練習試合においてこんなに喜んでくれるのは彼だけだろうか? きっとそうだろう。
前日のこともあって火神は彼に触れるのを躊躇っていたが、どうしても抑えきれない気持ちが溢れ出し、ぎゅっと抱きしめ返した。
2人の時は、そこから暫く、動いていないようだった。
1日会わねば千秋///1日会っていないだけで1000年も会っていないように長く感じる
眼鏡を掛けた放送委員は火神と壁に挟まれ、身動きが取れないまま、彼を見上げてくる。
火神はその瞬間に後悔した、彼は、触れてはならない人間だったと。
「……すまん。忘れてくれ」
「え? あ、あの……」
火神は壁に叩き付けた掌をぐっと握り、それ以上のことは言わず彼から離れる。
何て馬鹿なことをしたのだろう、自分は。こんなやり方、澪士を怯えさせるだけじゃないか。
そう思いながら背を向けたが、火神のことを声が追ってきた。
「火神くん!」
普段おとなしい彼が上げる大声。
それが珍しくて、驚いて、火神は振り返る。
「その……僕、は」
その時ふっと、なぜか突然、彼との今までのことを思い出した。まるで走馬灯のように。
同じクラスの火神と澪士。火神はバスケ部に所属しており、反面澪士は放送委員で、決してタイプが同じとは言えなかった。
それでも時を重ねる毎に性格が合ったのか、2人はよく話すようになった。
「火神くん、お疲れ様」
「澪士! こんな時間まで居たのか?」
「うん、ちょっとね」
ある日バスケ部の練習を終えた後、火神がクラスメイトの黒子と共に校門を抜けると、もう1人のクラスメイトと出会う。
「じゃ、僕はこれで」
「あ、黒子くんも居たのか。一緒に帰らないの?」
「用事を思い出しました」
そう言うと、気づかれていなかった黒子は火神と澪士を置いてさっさと帰っていく。
2人は、何故共に帰らないのだろう、まあ用事なら仕方ないか、と首を捻るが、その理由に気づいていないのは恐らくこの当人たちだけであろう。
「毎日毎日、夜遅くまで大変だね」
「澪士だってこの時間に会うこと、結構あるじゃねーか」
「あはは、家で宿題やるより、図書館でやった方がいいかなって思うこと多くて。気がついたらいっつもこんな時間なんだよね」
「げ、なんか宿題あったっけ?」
「あるよ、数学の」
ああ、と心底うんざりしたように火神は言い、肩を落とした。どうやら思い出したらしい。
「ね、火神くん」
「あ?」
「よかったらマジバ、寄ってかない?」
適当に話しながら歩いていると、気がつけばマジバの近くまでたどり着いていた。
火神は頷く。
「親は? 心配しねーのか?」
「大丈夫、勉強してから帰るって連絡はしてあるから」
そう言いながら2人はマジバに入った。
「いつものでいんだよな?」
「うん、お願いします」
火神はレジへ並ぶ。澪士は先に席を取る。
バーガー1つとオレンジジュースが澪士のいつもの注文だ。火神は既にそれを諳んじることが出来るくらい、2人は共にここを訪れていた。
一方の火神はといえばその時の腹の空き具合で好きなようにバーガーの個数を注文したいため、火神がレジに並ぶことが普通だった。
店員が聞き返すくらいの数のチーズバーガーを注文し、少しレジ横で待たされる。
(……もう、結構な回数、来てるよな)
それは澪士と共にこの店を訪れた回数のことである。
そろそろ店員に聞き返されなくても良いんじゃないか、ということではなく、澪士との関係性のことだ。勿論只のクラスメイトであり、良き友人なんだけれども。
なんだか、それだけではないような。
「お待たせいたしました」
火神は2つのトレイに分けてバーガーを席まで持っていく。するとそこには既にテキストが開かれていた。
「おい、置くぞ」
「あ、ごめん」
声を掛けると澪士は慌ててテーブルの上を片付ける。
「いつもありがとう」
「何だよ今更」
「いや今更っていうか、僕毎回お礼言ってるから」
澪士は笑う。その表情が、火神は好きだ。
「で、数学教えてくれんのか?」
「勿論そのつもりだよ」
最近、澪士は火神に勉強を教える代わり、バーガーセットを奢ってもらっている。そりゃあ火神の注文するバーガーの数からして、澪士に奢るなんていうのは大したことのない額だろう。
今回の宿題はこの範囲ね、と脇によけた数学の教科書を指す。
でも火神はその教科書なんか見ておらず、目線を下に遣る澪士の睫毛を見ていた。
「これね、二次関数。今日やったよね……って、聞いてる?」
「ん? あぁ」
「もう、別に僕が教えるのはいいけど、火神くんがちゃんとやらないと意味ないんだからねー」
そう言いながら、それでも笑う澪士が、火神にとっては愛しい。
「分かったって。3個食い終わったらやるから」
「あはは、急がなくていいよ、そんな」
とはいえ火神だってそんなに急いで食べたいわけではないのだ、それはチーズバーガーがただ美味しいからだけではなくて。
でもこれ以上は何も言えず、ひたすら飲み下した。
「火神くんが、何を考えてるのか……知りたい」
そのマジバに通った日々が2人の間の距離を縮めてくれたのだと思う。
そこまで思い出して、澪士の言葉で、火神は現実世界に引き戻された。
「澪士……」
「火神くんの考えてること、分かりそうで、分かんないんだ。僕なんかが分かることじゃないのかもしれないけど……でも知りたいって思うから」
それはとてつもなく甘美な誘いだった。その言葉を額面通りに受け取るのなら、あるいは。
そう思ったけれど火神にとって、それ以上先に踏み出すことはあまりにリスキーだった。
いや、リスキーという言葉は適切じゃないな。それは保身だ。
「……悪いな、澪士」
「火神くん……」
掛けられる言葉もなく、火神は再び背を向けて、澪士から離れた。
翌日、誠凛高校バスケ部は近隣の高校のバスケ部との練習試合を予定していた。
火神は当然集合時間には遅れずにやってきたが、その様子はどこか上の空で。
リコが叱咤しても日向が激励してもスイッチが入らない理由は、黒子だけが気がついていた。
その上で、ユニフォームに着替えている途中に、黒子は火神に近づく。
「火神くん」
「あ?」
「澪士くん来てますよ」
「はぁ?」
いつものように淡々と喋る黒子、苛立った様子の火神。
しかし黒子の言葉に火神は相当動揺したようで、視線が上がったり下がったりする。
「何があったか知らないですけど、ちゃんとやらないと嫌われますよ」
「……あのなあ」
「火神くんがどう思ってたって、澪士くんは、そんな簡単にぶれる様な人じゃない筈です」
じゃ僕は先に、と言って黒子は部屋を出ていく。いつの間にか火神はそこに1人で取り残されていた。
が、頭を殴られたようなその衝撃に、気持ちを整える時間が少しだけ欲しかったので、その静寂は有難かった。
「澪士が来てる……だって?」
この試合に? この試合を見に? 火神は混乱する。
だって昨日俺は、帰り際に、あんなこと。
「――いや、俺のやることは1つだ」
澪士が来ているか来ていないかなんて、そんなの体育館に行けば分かることだ。
火神は素早く着替え、チームメイトの待つ場所へ向かった。
「遅いぞ火神」
「すんません」
火神は適当に先輩方に謝りつつ、黒子の傍に寄る。
「悪ぃな黒子」
「火神くん、気持ちは定まりましたか?」
「ああ、大丈夫だ」
「あれです」
「あ?」
黒子は体育館の端の方を指す、そこには。
「……澪士!」
心臓が止まるような心地がした、澪士と目が合った気がした。
ばっと目を逸らすと今度はバクバクと鼓動が荒く鳴り出す。
その様子を見た黒子ははぁと溜息をついた。
「僕には関係ないですけど、試合には支障ないようにしてくださいね」
「ああ……大丈夫だ」
ああ。大丈夫。これは練習試合だが、ここで良い成績を残せないようであればインターハイを勝ち残ることなど夢のまた夢だ。
彼の存在を出来るだけ忘れるようにしよう、いや、昨日の悪い夢のような出来事を忘れるようにしよう。
そう思いながら、火神はコートへ進んだ。
試合は86対79で誠凛高校の勝利。互いの勝利を称え合い、打ち上げは後日ということで彼らは解散することになった。
いつかと同じように、火神は黒子と帰ろうと校門を潜った、その時。
「火神くん、お疲れ様」
「! 澪士……」
声を掛けられた火神はどきりとして思わず足を止める。
向こうで待っていたのはクラスメイトの澪士。先程、会場に居るのは気づいていたけれど、敢えて会話をすることを避けていた。
「じゃ、僕はこれで」
「黒子くん」
「また月曜日」
黒子はさっさと帰っていく、火神は引き止めたかったが声を掛けることができない。
夕暮れに残された影はたった2つ。
「試合、お疲れ様。見てたよ」
「あ、ああ」
「毎日あんな時間まで練習してるもんね」
核心に触れてこないようなむず痒さがある。かといって火神から触れることはできない。
「そうだ、1日会わねば千秋、って知ってる?」
「え? いや、」
火神は相変わらず顔を上げない。
「……ねえ、火神くん」
澪士は向き直って名前を呼ぶ。
思わず火神も澪士の方を見ると、その手が伸びてきて、火神の背中に回った。
「澪士」
「勝利、おめでとう!」
澪士は火神の胸板に顔を埋める、声色は気丈だがその表情は見えない。
「……ありがとう、澪士」
嗚呼こんな練習試合においてこんなに喜んでくれるのは彼だけだろうか? きっとそうだろう。
前日のこともあって火神は彼に触れるのを躊躇っていたが、どうしても抑えきれない気持ちが溢れ出し、ぎゅっと抱きしめ返した。
2人の時は、そこから暫く、動いていないようだった。
1日会わねば千秋///1日会っていないだけで1000年も会っていないように長く感じる