このゲームはお預けで(夢100/ドライ)
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その日も陽がとっぷり暮れるまで2人はたっぷりゲームで遊んだ。
丁度きりのよいところでゲームをやめた――今日の戦績は引き分けだ。
「帰る」
「送るよ、ドライ」
「いい」
「送るってば」
玄関先へ向かうドライの後をレイシは鍵を拾いながらついていく。
「僕より弱い奴に送られてどうする?」
「弱いって……俺、男なんだけど」
「僕も男だ」
はあ、と溜息を吐くが、ドライは結局、レイシを振り払うようなことはしなかった。
レイシがドアに鍵をかける間もじっと待っていてくれる。
「王子に何かあったら困るじゃん。てか、従者は?」
「いない」
「いないって」
「面倒だろ」
本当に面倒なことのように、気だるげにドライは答えた。
「ドライはさ、でも、命狙われてるじゃん。いつ殺されてもおかしくないじゃん。……それって怖くないの?」
「怖くない。僕がゲーム得意なの知ってるだろ」
「それは知ってるけど」
ゲームと現実は違う。どんなにゲームを上手くやったって、現実はそう上手くはいかない。そんなことドライも分かっている筈なのに、どうして言うのか。
「それより、さっきの話」
「ん?」
「王宮で雇ってもいいって話は、嘘じゃないからな」
レイシは驚いてドライの方を見る。
レイシの方を見たドライも、何でそんな顔をするのかと言いたげだった。
「……珍しいね、そんなに念押ししてくるの」
「疑われてそうだったからな」
「もう疑ってないよ。忘れてもいないし」
逃げ場がある、というのは重要だ。それだけで心持ちも変わる、どこにもゆきばのない人ほど心を病んでしまいやすいのだ。
安心できる場所があれば、一過性の激務なら何とか耐えられる。レイシは笑った。
「大変な時、思い出すようにするよ」
「ああ」
その後2人の話題は、先程までプレイしていたゲームの話に戻った。
その後更に1か月経ち、ノベルゲームは無事に開発陣の手を離れた。レイシが携わってからの時間が短いのは、そのゲームが元々ボリュームが少ないものだったことと、レイシが参加したのがヘルプとしてだから、ということがある。
それでもレイシにとっては十分だった。そのゲームがレイシにとってはとても重要だったし、この会社員人生で最も携わりたいジャンルだったからだ。
発売を目前にしてレイシは漸く3日の連続休暇を取れた、さて明日からは何をしようか。
丁度きりのよいところでゲームをやめた――今日の戦績は引き分けだ。
「帰る」
「送るよ、ドライ」
「いい」
「送るってば」
玄関先へ向かうドライの後をレイシは鍵を拾いながらついていく。
「僕より弱い奴に送られてどうする?」
「弱いって……俺、男なんだけど」
「僕も男だ」
はあ、と溜息を吐くが、ドライは結局、レイシを振り払うようなことはしなかった。
レイシがドアに鍵をかける間もじっと待っていてくれる。
「王子に何かあったら困るじゃん。てか、従者は?」
「いない」
「いないって」
「面倒だろ」
本当に面倒なことのように、気だるげにドライは答えた。
「ドライはさ、でも、命狙われてるじゃん。いつ殺されてもおかしくないじゃん。……それって怖くないの?」
「怖くない。僕がゲーム得意なの知ってるだろ」
「それは知ってるけど」
ゲームと現実は違う。どんなにゲームを上手くやったって、現実はそう上手くはいかない。そんなことドライも分かっている筈なのに、どうして言うのか。
「それより、さっきの話」
「ん?」
「王宮で雇ってもいいって話は、嘘じゃないからな」
レイシは驚いてドライの方を見る。
レイシの方を見たドライも、何でそんな顔をするのかと言いたげだった。
「……珍しいね、そんなに念押ししてくるの」
「疑われてそうだったからな」
「もう疑ってないよ。忘れてもいないし」
逃げ場がある、というのは重要だ。それだけで心持ちも変わる、どこにもゆきばのない人ほど心を病んでしまいやすいのだ。
安心できる場所があれば、一過性の激務なら何とか耐えられる。レイシは笑った。
「大変な時、思い出すようにするよ」
「ああ」
その後2人の話題は、先程までプレイしていたゲームの話に戻った。
その後更に1か月経ち、ノベルゲームは無事に開発陣の手を離れた。レイシが携わってからの時間が短いのは、そのゲームが元々ボリュームが少ないものだったことと、レイシが参加したのがヘルプとしてだから、ということがある。
それでもレイシにとっては十分だった。そのゲームがレイシにとってはとても重要だったし、この会社員人生で最も携わりたいジャンルだったからだ。
発売を目前にしてレイシは漸く3日の連続休暇を取れた、さて明日からは何をしようか。