このゲームはお預けで(夢100/ドライ)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そういえば」
隠しイベントのお使いをこなした後、ドライは再びゲームを中断し、レイシの方を見た。
「なに?」
「久しぶりか?」
「……それ質問?」
他人にはほぼ全く興味がないと言っても過言ではないドライ。そんなドライが、久しぶりかもしれない、と思ってくれる程度にはレイシは認知されている。それが喜ぶべきものかどうかは置いておいて。
「ひと段落したのか? 仕事は」
「うーん、どうかな。これ開発終わってからはちょい休み取れたけど。今はまた新しいの開発してるから、暇ではないかな」
これ、と言いながらレイシはドライが今プレイしているゲームのパッケージを叩く。ドライは眉を寄せた。
「これ、お前が作ったのか?」
「いや、別に俺が作ったって程じゃないけど。ちょびっと書いたりしたよ、色々」
「ちょっとなのか色々なのかどっちだ」
溜息を吐くドライ。レイシは確かに、と思ったが、少しずつ色々なところを書いた、が正しい。
レイシはクロフォードの最大手のゲーム会社で働くエンジニアだ。ゲーム好きが高じてゲーム会社に就職し、たまの休みがあればこうして城に来てゲーム友達のドライと遊んでいる。
ドライの父である国王も、レイシなら、ということで城への自由な出入りを許可している、お墨付きの友人だ。
「それより、新しいの、が気になる」
「言えないよ企業秘密だし」
「ジャンルくらいならいいだろう」
「……ノベル」
「ノベル?」
ドライは驚いたように言葉を返す。それはそうだろう、大ヒットRPGシリーズの最新作を開発していた人間がいきなりノベルゲームの開発をするなんて。
ただし彼に開発の事情は分からない。分かるのはそのゲームが面白いかどうかだけだ。
「……で、どう? ドライ。このゲームは」
にこと笑いながらレイシは問いかける。
このゲームをプレイしていた時には色々と思うところがあったのだが、ドライは結局何を言いたかったのか忘れてしまって閉口した。
「あ、でも俺が開発に携わったって聞いたら言いにくいか。じゃあそれは忘れて、感想教えて」
「忘れるなんて無理だろ」
「それはそうだけど、お願い」
何故レイシがそんなに感想を聞きたがっているのかドライには分からなかった、今までもレイシが開発したゲームを何度かプレイしたことがあるが、ここまで強く聞かれたことはなかった。
ドライはまた答えずにただ眉をしかめると、ずいとレイシが近くに顔を寄せてきた。呼吸が絡むほどの位置に。
「どうしても知りたいんだ。……この作品、大事だから」
「へえ」
少しからかいたくなったのか、ドライは笑うと、レイシの左耳に唇を寄せて囁いた。
「じゃあ、教えてやるよ。たっぷりとな」
「……っ!」
その低い声にレイシの肌がぞくりと粟立つ。
彼が面食らっている隙にドライは腰に手を回し自分の前に引き寄せた。
レイシを後ろから抱くようにしてコントローラを持ち、ゲームを再開する。
「ちょ、ドライ!」
「感想、聞きたいんだろ? プレイしながら教えてやるよ」
「だからってこんな体勢じゃなくても、」
「静かにしてろ」
「っ」
ドライはレイシの左の耳たぶを食む。びくりとレイシの身体が跳ねあがり、それきり大人しくなった。多分顔が真っ赤になっているんだろうな、と思うとドライは楽しくなり、少し笑った。
隠しイベントのお使いをこなした後、ドライは再びゲームを中断し、レイシの方を見た。
「なに?」
「久しぶりか?」
「……それ質問?」
他人にはほぼ全く興味がないと言っても過言ではないドライ。そんなドライが、久しぶりかもしれない、と思ってくれる程度にはレイシは認知されている。それが喜ぶべきものかどうかは置いておいて。
「ひと段落したのか? 仕事は」
「うーん、どうかな。これ開発終わってからはちょい休み取れたけど。今はまた新しいの開発してるから、暇ではないかな」
これ、と言いながらレイシはドライが今プレイしているゲームのパッケージを叩く。ドライは眉を寄せた。
「これ、お前が作ったのか?」
「いや、別に俺が作ったって程じゃないけど。ちょびっと書いたりしたよ、色々」
「ちょっとなのか色々なのかどっちだ」
溜息を吐くドライ。レイシは確かに、と思ったが、少しずつ色々なところを書いた、が正しい。
レイシはクロフォードの最大手のゲーム会社で働くエンジニアだ。ゲーム好きが高じてゲーム会社に就職し、たまの休みがあればこうして城に来てゲーム友達のドライと遊んでいる。
ドライの父である国王も、レイシなら、ということで城への自由な出入りを許可している、お墨付きの友人だ。
「それより、新しいの、が気になる」
「言えないよ企業秘密だし」
「ジャンルくらいならいいだろう」
「……ノベル」
「ノベル?」
ドライは驚いたように言葉を返す。それはそうだろう、大ヒットRPGシリーズの最新作を開発していた人間がいきなりノベルゲームの開発をするなんて。
ただし彼に開発の事情は分からない。分かるのはそのゲームが面白いかどうかだけだ。
「……で、どう? ドライ。このゲームは」
にこと笑いながらレイシは問いかける。
このゲームをプレイしていた時には色々と思うところがあったのだが、ドライは結局何を言いたかったのか忘れてしまって閉口した。
「あ、でも俺が開発に携わったって聞いたら言いにくいか。じゃあそれは忘れて、感想教えて」
「忘れるなんて無理だろ」
「それはそうだけど、お願い」
何故レイシがそんなに感想を聞きたがっているのかドライには分からなかった、今までもレイシが開発したゲームを何度かプレイしたことがあるが、ここまで強く聞かれたことはなかった。
ドライはまた答えずにただ眉をしかめると、ずいとレイシが近くに顔を寄せてきた。呼吸が絡むほどの位置に。
「どうしても知りたいんだ。……この作品、大事だから」
「へえ」
少しからかいたくなったのか、ドライは笑うと、レイシの左耳に唇を寄せて囁いた。
「じゃあ、教えてやるよ。たっぷりとな」
「……っ!」
その低い声にレイシの肌がぞくりと粟立つ。
彼が面食らっている隙にドライは腰に手を回し自分の前に引き寄せた。
レイシを後ろから抱くようにしてコントローラを持ち、ゲームを再開する。
「ちょ、ドライ!」
「感想、聞きたいんだろ? プレイしながら教えてやるよ」
「だからってこんな体勢じゃなくても、」
「静かにしてろ」
「っ」
ドライはレイシの左の耳たぶを食む。びくりとレイシの身体が跳ねあがり、それきり大人しくなった。多分顔が真っ赤になっているんだろうな、と思うとドライは楽しくなり、少し笑った。