御伽噺と微笑む(オムニバス)
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随分と久しぶりに帰ってきたというのに、その反応はひどく味気ないもので、それでもレイシは文句を言わずに唇を噛んだ。
2人は他愛ない会話をしながら食卓を囲み、やがていつものように先に眠りに落ちる彼を見ながら、ロイは溜息を吐いた。
(……いつまでこうしていられるだろうか)
自分は軍人だ。恨みは数知れず買ってきた。いつ戦争に駆り出されるか分からないし、殺されてもおかしくない。
だから早く、その時が来るより早く、恋人であるレイシを突き放さなければいけないのだ。傷つけないために。
分かってはいる、のだけれど。
「いざ別れを告げる、となると、こうも躊躇ってしまうのは何故なんだろうな」
寝返りを打った時に、目にかかった髪の毛を払いのけてやる。
多分彼に告げれば、泣いて自分を止めるだろう。そんなことは構わないのだ、と。
ロイは躊躇っていた。自分がいつでも生きて帰ってくると約束できればいいのだけれど。
そんなことを言えばレイシは多分、自分が居るから帰ってきてくれるんじゃないのか、なんて言いそうだけれど。
(別れのない出会いなどないし、終わらない夢もない)
目が覚めたら、何と言おう。何と言ったらレイシにちゃんと、全ての想いが伝わるだろうか。
そんな風に考えていたことに気づき、ロイは苦笑した。リザが知ったら馬鹿だと言うだろうか。
「それでも……それでも、今だけは、隣に居させてくれ」
露わになったレイシの額に唇を落とした。
2人は他愛ない会話をしながら食卓を囲み、やがていつものように先に眠りに落ちる彼を見ながら、ロイは溜息を吐いた。
(……いつまでこうしていられるだろうか)
自分は軍人だ。恨みは数知れず買ってきた。いつ戦争に駆り出されるか分からないし、殺されてもおかしくない。
だから早く、その時が来るより早く、恋人であるレイシを突き放さなければいけないのだ。傷つけないために。
分かってはいる、のだけれど。
「いざ別れを告げる、となると、こうも躊躇ってしまうのは何故なんだろうな」
寝返りを打った時に、目にかかった髪の毛を払いのけてやる。
多分彼に告げれば、泣いて自分を止めるだろう。そんなことは構わないのだ、と。
ロイは躊躇っていた。自分がいつでも生きて帰ってくると約束できればいいのだけれど。
そんなことを言えばレイシは多分、自分が居るから帰ってきてくれるんじゃないのか、なんて言いそうだけれど。
(別れのない出会いなどないし、終わらない夢もない)
目が覚めたら、何と言おう。何と言ったらレイシにちゃんと、全ての想いが伝わるだろうか。
そんな風に考えていたことに気づき、ロイは苦笑した。リザが知ったら馬鹿だと言うだろうか。
「それでも……それでも、今だけは、隣に居させてくれ」
露わになったレイシの額に唇を落とした。