御伽噺と微笑む(オムニバス)
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『……お前さあ、いい加減にしろよ』
「ごめんって」
真夜中も真夜中、午前3時に俺は、スマホの電話の履歴の一番上にいる人にコールする。
10コールも待っただろうか、やがて出た相手は苛立ちを抑え切れぬ声でそう言った。
「寂しい。すごく」
『死ね』
「こっち来て、静雄」
甘えた声でそう言うと、数秒の沈黙が流れた後、電話は不意に切れた。こういう時の確率って90%だ。海外ドラマでも観て待っていようか。
リモコンの再生ボタンを押して15分ほど観たところで、鍵がドアノブに差し込まれる音がして、俺は現実に引き戻された。
「この真夜中に何のつもりだよ、澪士」
「ごめん。寂しかった」
「昼に、今日は大丈夫っつったばっかだろ」
「大丈夫な気がしてたけど、ダメだった」
相変わらず機嫌の悪さを隠そうともしない静雄は、そう悪態を吐きながら俺の隣に座る。
薄っぺらい布団の上で、暗い中でテレビを観ていた俺は欠伸を抑え切れず静雄の肩にもたれかかった。
「安心したら眠くなった」
「早すぎだろ」
「静雄がいるから、しょうがない」
目を閉じる。本当に今すぐにでも寝られそうだ、静雄には悪いけれど。
ああでも静雄は多分気づいてないんだろうな。
「ねえ、一緒に住もうよ、静雄」
「嫌だ」
「どうして? こうして真夜中にわざわざやってくる方が面倒じゃない?」
「さっさと治せ、その病気を」
「……そうだね」
1人だとたまに眠れない病気なんだ、と静雄に伝えている。それってどんな病気なのか、俺にも分からない。
静雄がどこまで本気で信じてくれているのかは分からないけど、俺の心臓が早鐘を打っていることは、多分気づいてないと思う。
「おやすみ、静雄」
こんなにもどきどきするのに、なのにこんなにもあっさり眠れてしまうだなんて。
人の身体って変だ。まあそこがいとおしいんだけど。
「ごめんって」
真夜中も真夜中、午前3時に俺は、スマホの電話の履歴の一番上にいる人にコールする。
10コールも待っただろうか、やがて出た相手は苛立ちを抑え切れぬ声でそう言った。
「寂しい。すごく」
『死ね』
「こっち来て、静雄」
甘えた声でそう言うと、数秒の沈黙が流れた後、電話は不意に切れた。こういう時の確率って90%だ。海外ドラマでも観て待っていようか。
リモコンの再生ボタンを押して15分ほど観たところで、鍵がドアノブに差し込まれる音がして、俺は現実に引き戻された。
「この真夜中に何のつもりだよ、澪士」
「ごめん。寂しかった」
「昼に、今日は大丈夫っつったばっかだろ」
「大丈夫な気がしてたけど、ダメだった」
相変わらず機嫌の悪さを隠そうともしない静雄は、そう悪態を吐きながら俺の隣に座る。
薄っぺらい布団の上で、暗い中でテレビを観ていた俺は欠伸を抑え切れず静雄の肩にもたれかかった。
「安心したら眠くなった」
「早すぎだろ」
「静雄がいるから、しょうがない」
目を閉じる。本当に今すぐにでも寝られそうだ、静雄には悪いけれど。
ああでも静雄は多分気づいてないんだろうな。
「ねえ、一緒に住もうよ、静雄」
「嫌だ」
「どうして? こうして真夜中にわざわざやってくる方が面倒じゃない?」
「さっさと治せ、その病気を」
「……そうだね」
1人だとたまに眠れない病気なんだ、と静雄に伝えている。それってどんな病気なのか、俺にも分からない。
静雄がどこまで本気で信じてくれているのかは分からないけど、俺の心臓が早鐘を打っていることは、多分気づいてないと思う。
「おやすみ、静雄」
こんなにもどきどきするのに、なのにこんなにもあっさり眠れてしまうだなんて。
人の身体って変だ。まあそこがいとおしいんだけど。