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「おーい、出航するぞーっ!」
勇ましい掛け声。応える咆哮。
これぞ海賊、と誇らしげに胸を張りたくなるような。
「待てよー!」
俺とエースは急いで船に乗り込む。何で乗ってないのに船を走らせ始めようとしているのか。
危うく置いていかれそうになって睨むが――勿論本当に置いて行かれる筈はないのだが――皆ゲラゲラと笑っている。
「何笑ってんだよー」
「おま、サンダル、落としてんぞ!」
「えっ!?」
何とか船に引き上げてもらった後、慌てて振り返ると、確かに桟橋には俺のサンダルが片方。
「ちょ、俺のサンダル!」
「はっはっは! レイシ、お前、急ぎすぎだって!」
「おいサッチ笑いすぎだ!」
俺と一緒に走ってきたエースも笑い転げている。人のサンダルを何だと思っているのか。
「元はといえばエース、お前が悪いだろ! 全然アイス食べ終わんねーから!」
「エース、アイスなんか食ってたのかよ?」
「いや別に、オレは、走りながら食べるって言ったろ!」
「まあ半分くらいで融けてたけどな」
一しきり笑い終えると、皆はそれぞれの持ち場に戻っていく。
俺のサンダルを残し、夏島からは離れ。
汗が首筋から滴り落ちる。
「くそー……次の島でサンダル買わねえと」
やはりサンダルが一番しっくりくるのだ。戦闘向きでないのは分かってるけどね。
仕方なく、片足を汚して部屋に戻るかと諦めたところ、エースが何やらしゃがんでいた。
「エース? 何してんの?」
「乗れよ」
「は?」
どうやらおんぶしてくれる、らしい。
エースは背中越しに俺の方を見る。
「足汚れんのはかわいそうだからな、まあ……俺のせいって部分がないわけじゃないし」
ふ、と笑う。
「さんきゅー」
「そんな重くないから、許してやる」
エースの体温が高いのは、その悪魔の実ゆえだろうか。
ぱたぱたと服に風をはらませながら。
(なあ、次の島着いた時も、サンダル買うまでおんぶして)
(断る)
(えっ!?)
2016.05.16
勇ましい掛け声。応える咆哮。
これぞ海賊、と誇らしげに胸を張りたくなるような。
「待てよー!」
俺とエースは急いで船に乗り込む。何で乗ってないのに船を走らせ始めようとしているのか。
危うく置いていかれそうになって睨むが――勿論本当に置いて行かれる筈はないのだが――皆ゲラゲラと笑っている。
「何笑ってんだよー」
「おま、サンダル、落としてんぞ!」
「えっ!?」
何とか船に引き上げてもらった後、慌てて振り返ると、確かに桟橋には俺のサンダルが片方。
「ちょ、俺のサンダル!」
「はっはっは! レイシ、お前、急ぎすぎだって!」
「おいサッチ笑いすぎだ!」
俺と一緒に走ってきたエースも笑い転げている。人のサンダルを何だと思っているのか。
「元はといえばエース、お前が悪いだろ! 全然アイス食べ終わんねーから!」
「エース、アイスなんか食ってたのかよ?」
「いや別に、オレは、走りながら食べるって言ったろ!」
「まあ半分くらいで融けてたけどな」
一しきり笑い終えると、皆はそれぞれの持ち場に戻っていく。
俺のサンダルを残し、夏島からは離れ。
汗が首筋から滴り落ちる。
「くそー……次の島でサンダル買わねえと」
やはりサンダルが一番しっくりくるのだ。戦闘向きでないのは分かってるけどね。
仕方なく、片足を汚して部屋に戻るかと諦めたところ、エースが何やらしゃがんでいた。
「エース? 何してんの?」
「乗れよ」
「は?」
どうやらおんぶしてくれる、らしい。
エースは背中越しに俺の方を見る。
「足汚れんのはかわいそうだからな、まあ……俺のせいって部分がないわけじゃないし」
ふ、と笑う。
「さんきゅー」
「そんな重くないから、許してやる」
エースの体温が高いのは、その悪魔の実ゆえだろうか。
ぱたぱたと服に風をはらませながら。
(なあ、次の島着いた時も、サンダル買うまでおんぶして)
(断る)
(えっ!?)
2016.05.16