その他
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
title by spiritus
「ねえ、レイシはさ、死ぬの怖くないの?」
「ん? ……怖くないよ」
友達に問われ、僕は笑んで答えた。
「何で怖くないの?」
「僕には大事な人が居るんだ」
「大事な人?」
「そう。初めて出会った時に、もう、この人しかいないって思った大事な人」
「そんな大事な人がいるのに、どうして死ぬのが怖くないの?」
「その人には死んだ時に初めて会えるんだ」
「……? どういう意味?」
「彼は魔王なんだ。どういう魔王かというと、死んだ人を地獄で待ち受けて、罪を犯した人を罰する魔王」
「へえ」
「僕が初めて彼のことを知った時から、もう僕は何も怖くなくなった。……あ、いや、死ぬ時に痛いのは怖いけど。死ぬのは全然怖くないんだ」
「そうなんだ」
「死んだら漸く彼に会える。それって物凄く楽しみなことだよ」
「でもレイシは悪いこと何かしたの?」
「今考えれば、罪は色々犯したよね。これで死んだら、彼に会えるよね」
「レイシは、それが今から楽しみなんだ?」
「うん」
「じゃあ今すぐ死にたいとか思わないの?」
「それは思わないんだよね」
「どうして?」
「僕、食事の時に、好きなものは最後に取っておきたい派なんだ」
「ああ」
「死ねばいつだって彼に会える。それなら今この瞬間、苦しんで生きて、デザートを最後に取っておくのもいいんじゃないかなって」
「なるほどね」
「だから僕は幸せだよ。死ぬことさえ怖くない。後は彼に罰を与えてもらうだけなんだ。楽しみだなあ」
白い壁の中、僅かにあいた窓から外を眺めながらそう答えた。
2018.01.27
「ねえ、レイシはさ、死ぬの怖くないの?」
「ん? ……怖くないよ」
友達に問われ、僕は笑んで答えた。
「何で怖くないの?」
「僕には大事な人が居るんだ」
「大事な人?」
「そう。初めて出会った時に、もう、この人しかいないって思った大事な人」
「そんな大事な人がいるのに、どうして死ぬのが怖くないの?」
「その人には死んだ時に初めて会えるんだ」
「……? どういう意味?」
「彼は魔王なんだ。どういう魔王かというと、死んだ人を地獄で待ち受けて、罪を犯した人を罰する魔王」
「へえ」
「僕が初めて彼のことを知った時から、もう僕は何も怖くなくなった。……あ、いや、死ぬ時に痛いのは怖いけど。死ぬのは全然怖くないんだ」
「そうなんだ」
「死んだら漸く彼に会える。それって物凄く楽しみなことだよ」
「でもレイシは悪いこと何かしたの?」
「今考えれば、罪は色々犯したよね。これで死んだら、彼に会えるよね」
「レイシは、それが今から楽しみなんだ?」
「うん」
「じゃあ今すぐ死にたいとか思わないの?」
「それは思わないんだよね」
「どうして?」
「僕、食事の時に、好きなものは最後に取っておきたい派なんだ」
「ああ」
「死ねばいつだって彼に会える。それなら今この瞬間、苦しんで生きて、デザートを最後に取っておくのもいいんじゃないかなって」
「なるほどね」
「だから僕は幸せだよ。死ぬことさえ怖くない。後は彼に罰を与えてもらうだけなんだ。楽しみだなあ」
白い壁の中、僅かにあいた窓から外を眺めながらそう答えた。
2018.01.27