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title by spiritus
「ねえエド、こういうの得意でしょう。やって?」
久々にリゼンブールの近くまで戻ってきたエドとアルは、以前から連絡を受けていた幼馴染と宿で会っていた。
その幼馴染とは久々に会うのだが――もう1人の幼馴染、ウィンリィとは何だかんだ会う機会もあるのだ――開口一番そんなことを言った。
変なのは慣れている。確かに彼は、よくわからないのだ。
「なんで、久々に会って、いきなり三つ編みを作ってやんなきゃいけないんだよ」
「いいじゃん」
はあ、と溜息を吐きながらも、最終的には兄がその願いを叶えてやることを、アルは知っていた。
昔からそうなのだ。ウィンリィも含め4人で遊べば、彼は自由に遊んでふらふらどこかへ行ってしまう。
それをいつも連れ戻すのは、エドの役割だった。
「……わかったよ」
ベッドの上に座るレイシの後ろにエドは回る。慣れた手つきで編んでいく。
「髪伸ばしたんだね、レイシ」
「そー」
アルが声をかけると、彼からはあまりやる気の感じられない返事が返ってくる。
「少しでも、エドとアルのことを覚えておきたくて、思い出せるものがほしかったから」
エドの手が一瞬止まった。
けれど、すぐに編むのを再開した。
「でも髪黒いじゃん」
「それはね。だってエドがさ」
「あ?」
「俺は黒い髪の方が似合うっていうから」
今度こそエドの手が止まった。
彼は振り返って進捗を問おうとするが、髪の毛を掴まれたままなので、それも叶わない。
アルは思わず笑ってしまった。そんなの初めから知っていたことだ。
「うん。レイシは黒髪の方が似合うよ」
「ありがとうアル。アルも髪伸ばそうぜ」
「そうする」
ふふっと彼が笑うのと同時に、エドは三つ編みの最後の仕上げにかかる。
ほどなくして、髪の毛が解放された。
「できた」
「ありがとう」
「兄さんのより少し長いね」
「伸ばしすぎたかな?」
2人で話している間、エドは全く口を開かなかった。
頬が赤くなっているだろうことなんて、見なくても分かる。
「まあ、いいや。俺1人じゃこんなことできないからさ、早く帰ってきて毎日やってよ、エド」
エドに向けられたその笑顔は確信犯か、それとも。
「ねえエド、こういうの得意でしょう。やって?」
久々にリゼンブールの近くまで戻ってきたエドとアルは、以前から連絡を受けていた幼馴染と宿で会っていた。
その幼馴染とは久々に会うのだが――もう1人の幼馴染、ウィンリィとは何だかんだ会う機会もあるのだ――開口一番そんなことを言った。
変なのは慣れている。確かに彼は、よくわからないのだ。
「なんで、久々に会って、いきなり三つ編みを作ってやんなきゃいけないんだよ」
「いいじゃん」
はあ、と溜息を吐きながらも、最終的には兄がその願いを叶えてやることを、アルは知っていた。
昔からそうなのだ。ウィンリィも含め4人で遊べば、彼は自由に遊んでふらふらどこかへ行ってしまう。
それをいつも連れ戻すのは、エドの役割だった。
「……わかったよ」
ベッドの上に座るレイシの後ろにエドは回る。慣れた手つきで編んでいく。
「髪伸ばしたんだね、レイシ」
「そー」
アルが声をかけると、彼からはあまりやる気の感じられない返事が返ってくる。
「少しでも、エドとアルのことを覚えておきたくて、思い出せるものがほしかったから」
エドの手が一瞬止まった。
けれど、すぐに編むのを再開した。
「でも髪黒いじゃん」
「それはね。だってエドがさ」
「あ?」
「俺は黒い髪の方が似合うっていうから」
今度こそエドの手が止まった。
彼は振り返って進捗を問おうとするが、髪の毛を掴まれたままなので、それも叶わない。
アルは思わず笑ってしまった。そんなの初めから知っていたことだ。
「うん。レイシは黒髪の方が似合うよ」
「ありがとうアル。アルも髪伸ばそうぜ」
「そうする」
ふふっと彼が笑うのと同時に、エドは三つ編みの最後の仕上げにかかる。
ほどなくして、髪の毛が解放された。
「できた」
「ありがとう」
「兄さんのより少し長いね」
「伸ばしすぎたかな?」
2人で話している間、エドは全く口を開かなかった。
頬が赤くなっているだろうことなんて、見なくても分かる。
「まあ、いいや。俺1人じゃこんなことできないからさ、早く帰ってきて毎日やってよ、エド」
エドに向けられたその笑顔は確信犯か、それとも。