戦士の休息
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私室のソファでベニマルと微睡む今日この頃。
何故か後ろから抱きかかえられているけどそこは指して重要ではない。
「別に休みなんて必要ないと言ったんだがな。」
と後ろから聞こえる声に耳を傾ける。
「リムル様に突然休みをもらったんだ」と少し困ったように訪ねてきたベニマルを部屋へ招き入れたのは少し前の事。
そういえば先日リムルが労働基準法がどうとか、福利厚生がどうとか言っていた気がする。
確かにリムルを慕って昼夜問わず働くテンペストの民にはいずれ必要になるかもしれない。
日本のものとは意味合いが違ってくるんだろうけど、大袈裟じゃなくリムルの為なら命を懸ける住民が多すぎるのだ。
「休むのも仕事だよ。
寧ろ上司に気を遣わせるくらいなら休みを取るべきじゃないかなぁ。」
有給取得率なんて単語はこの世界で聞きたくないなぁと思いつつリムルの肩を持ってみる。
実はリムルからそれとなくベニマルに口添えして欲しいと言われていたりもするのだが…。
うーんと唸るベニマルは納得がいかないのだろう。
なんという社畜の鑑。
「それはそうかもしれないが…。」
もうひと押しだけしてみようか。
リムルに言われたからではないけど
少しだけ便乗して本心を伝えるのもいいのかもしれない。
「……たまにはこういう日もいいなぁ、とは思うよ。」
そう言うと言葉の意味に気付いたのか
ベニマルは分かりやすく顔を赤らめる。
まるで悪戯が成功したかの優越感にふふっと笑みが溢れた。
確かに仕事も大事だし、普段会っていないわけではない。
それでもやはり公の場ではお互い立場があるし、勝手な行動を取るわけにはいかないわけで。
「…そうだな、定期的に取れるようにはしておくよ。」
今日のように日中から予定もなく2人で過ごせる、というのを有意義だと感じたのかもしれない。
それをリムルも望んでくれているのなら断る理由なんてないだろう。
そのままベニマルは腕に力を込めると私の肩へ顔をうずめた。
しばらくその体勢でいたかと思うと突然私の首筋へ唇を落とす。
擽ったいと身をよじれば、更に腕の力が強まった。
「ベニマル?」と声を掛けたが返事は返ってこない。
沈黙が続くかと思った瞬間身体が不意に浮く。
やばい。と思ったときには身体が反転して天井をバックにベニマルを見上げていた。
「なぁ、名前。」
耳元で艶っぽい声で囁かれると途端に顔に熱が集まる。
咄嗟に止めようと言葉を発するが、その前に口を塞がれて声にならなかった。
「ん……待っ……」
ベニマルの胸を必死で押すが、力でなんて勝てるはずもなく
成す術もないままソファに縫い付けられる。
抵抗も虚しくされるがままになっていると
ベニマルの手が服の裾から侵入してきた。
「…ベニマル!」
流石にこれ以上流されるわけには行かないと静止を掛ける。
このままでは折角のお休みを部屋で過ごすことになってしまう。
そんなこちらの意図が伝わったのかベニマルはやっとこちらを向いてくれた。
「なんだよ。」
なんだよじゃない。
まるで私が悪いかのように不服そうなジト目を向けられた。
そんな顔をされても嫌なものは嫌である。
それに悪いがこちらには切り札を用意していた。
「……街に新しいケーキ屋さんが出来たらしいから今日行きたかったんだけど一緒に行かない?」
予想もしなかったのか、ベニマルはきょとんと目を丸くさせる。
そこから眉間に皺が寄るのをまじまじと見つめた。
私は勝利を確信していた。
超絶甘党の天下の侍大将様がこの誘いに乗らないはずがないのだ。
「……………………………行く。」
案の定ベニマルは少し目を泳がせた後、素直に頷いたのだった。
内心ガッツポーズをしながらベニマルを押し退けて身支度を始める。
あの状況を打破する為の文句だったのも事実だけど
ただ一緒に出掛けたかったのも本当だった。
最近は何かと忙しく、久しぶりのデートの約束に
少し位浮かれてしまうのは大目に見て欲しい。
ベニマルはそんな私を見て完全に切り替えたようだ。
「支度できたら来いよ。外で待ってるから。」
そう言って私の頭を撫でてから部屋を出て行くベニマルに了承の旨を伝える。
すると、ドアが閉まりきる前に「あ、そうだ」という声が聞こえた。
何かと思いドアの方を向くと酷く楽しそうな笑顔のベニマルと目が合う。
「帰ったら覚えとけよ。」
とりあえず、私は聞こえなかった事にした。
戦士の休息
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甘くを目指してみた結果がこれですが如何でしょうか?
もし良ければ感想等いただけたら嬉しいです。
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